2024年3月22日 第706号
旧水戸街道を歩く旅は、今回で3回目。1回目は2015年、松戸市内(松戸宿~小金宿先の根木内歴史公園間)を、2回目は2022年、東京都内(千住宿~金町の関所跡間)を踏破しました。今回は、松戸市内の根木内歴史公園から取手宿手前の利根川土手へ。千葉県内を踏破します!
運動不足……、最近の記者には耳が痛いことば。季節にかかわらず毎日、酒やつまみが美味しくて、だから体重も順調に増えてしまい……(笑)。健康維持のために運動は大事ですよね!もはや走ることはキツイので、ならば歩こうと、この企画を考えました。
【根木内歴史公園からスタート!】
北小金駅南口から県道280号線に出て柏方面へ。国道6号線を渡り、県道261号を歩いていくと左手に自然豊かな根木内歴史公園が見えてきます。ここをゴールに松戸市内の旧水戸街道を踏破したのが、9年前なんですね。今回は、ここから千葉と茨城の県境である利根川まで歩きます。根木内城址橋を渡り、坂をくねくね登る途中で柏市内へ。旧水戸街道筋は、しばらく県道261号に沿っています。この先、歩道がない箇所が多いので、注意してください。
【徒歩だからこそ分かる楽しみ!】
路線バスの停留場をふと見ると「庚申塚」や「中新宿」など、古き街道沿いの名残を感じます。車で通るとあまり分からない高低差が、徒歩だとよ~く分かりますね。また、歩いているからこそ気づくのが古い石碑の存在です。そして、旧街道沿いに多くあると言えば神社や寺!まず、向小金福祉会館入口交差点付近の「香取神社」で旅の成功を祈願し、南柏駅東口交差点先の「八坂神社」に立ち寄りました。その先、日光街道脇往還の交差点を通過後、道はまっすぐ柏市街地に続きます。
【御朱印をゲット!】
「別雷神社・稲荷神社」の次は、車で通った際、気になっていた「豊受稲荷本宮」に立ち寄ります。境内は狭いのですが、社殿裏に休憩所と社務所があり、御朱印をいただきました。待っている間、温かいお茶と飴玉を出していただき嬉しかったですね。さて、再び歩き始めます。この付近、南柏~柏間は江戸幕府が軍馬育成のために設けた小金牧内。旅人が迷わないよう街道沿いに松の木を植えていたそうですが、今や跡形もありません。やがて東武アーバンパークラインのガードをくぐり抜けると柏市街本町通り商店街に入ります。
【柏駅付近を通過!】
柏駅付近は今回の旅で、最も人通りが多かったですね。以前取材した柏神社を通過した先、市街地の歩道上になぜか巨木が!何かしらの理由(祟り的な?)で、伐採できないのでしょうか?また、明治天皇柏御小休所といった石碑を偶然見つけましたよ。柏駅付近を離れていくにつれて次第に人気がなくなり、やがて旧街道は東京環状国道16号線にぶつかります。
【この先は、どんどんのどかな風景に!】
国道16号を渡った後、沿道はどんどんのどかになりますが、突如前方に地元では有名な結婚式場が見えてきます。その手前にある陸橋は渡らず右へ。進んだ先、道はプツリと途切れますが、跨線橋があるのでご安心ください。松戸宿北側の旧水戸街道筋のように、ここもかつては踏切で常磐線を渡っていたのでしょう。しばらく歩くと左手に馬頭観音を発見!「ながれやまみち」の文字は読めますが、そのほかは風化して読めません。さらに先に進むと大堀川にぶつかり、旧街道は完全に途切れます。
【北柏駅前を通過!】
【北柏駅前を通過!】
現道(国道6号線)を通って今回、初のワープ!再び旧街道筋を歩きます。その先、「根戸大坂」と呼ばれる坂道を通過し、北柏駅前へ。この周辺は再開発が進んでいる様子。そして県道7号線との交差点に到着します。左に行けば関東3大弁天の1つ「布施弁天」に通じますが、交差点からはだいぶ先なので今回はパス。この後、旧街道は右へ大きくカーブし、再び国道6号線と交差。国道356号線を進み、常磐線の跨線橋を渡って、さらに進むと我孫子宿に達します。
【我孫子宿へ!】
我孫子と言えば、過去に一面やウォッチングで取り上げましたよね。明治時代に鉄道が開通すると嘉納治五郎や志賀直哉などの著名人が、別荘や邸宅を構えました。旧街道の右手には手賀沼が広がりますが、今では建物により湖畔を望むことはできません。ですが、ところどころに歴史のありそうな料亭やかやぶき屋根の家(脇本陣)も見られます。クランクを2つ抜けた先のコンビニ付近のY字路で旧水戸街道は左へ、右は成田へ続く道。この追分が我孫子宿水戸側の出入り口だったようで、古い石碑が置かれていました。その後に渡る成田線の踏切の名称は「浜街道踏切」。浜街道は水戸街道のことで、つまり旧街道筋の証し!金町付近にも同じ名称の踏切がありましたね。やがて道は下り坂となり、松戸車両センター我孫子出張所が見えてきます。旧街道は再度、車両基地によって分断。ここで本日2度目のワープを実行します。
【柴崎神社】
県道8号線のトンネルで車両基地をくぐると、旧街道筋にショートカットできる場所に木製の案内板が立っていますが、「これって進んで良いの?」と疑うくらい荒れた道……。でも、進んじゃってください(笑)。この先、旧街道は大通りに出て、天王台駅の手前、介護施設のある交差点を左折。その先にあるのが柴崎神社です。今回訪れた中では1番大きな神社で御朱印をしっかりいただきました。
【いよいよゴールへ!】
柴崎交差点以降、旧街道筋は国道6号線と重なり、周囲は開けて前方に取手の街並みや筑波山が見えてきます。そのまま真っ直ぐ進みたいところですが、青山台交差点で旧街道は右側道へ。クランクを通過し直線に入ると、いよいよ利根川の土手が視界に入りました!北小金駅から歩いて、気づけばすでに5時間が経過。ゴルフクラブ前の信号を渡り、土手を上がって、ついにゴールです!対岸である取手の街へ渡ろうと思いましたが、両足が拒否反応(泣)。昼も取らずに歩き続けたので、とにかく腹ペコで、近くに飲食店はないのかとスマホで検索すると、徒歩10分圏内に洒落た蕎麦屋を発見!早速ビールを注文して喉の渇きを潤し、もりを2枚完食後はグッタリ……。この後、気力を振り絞って天王台駅まで歩き、どうにか帰宅できました。 (パイン)
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