矢切の渡し公園
2024年12月6日号 第723号
ただただ広い公園。遊具もなく、花壇もなく、木もなく、あるのは小高い丘のみ。でもこの丘が良いのです。麓から見るとオーストラリアの世界遺産、ウルルのような形をした丘。登ってみると、矢切の地に広がる田や畑、松戸駅周辺のビル群、外環道、斜面林が連なるグリーンの帯など、360度見渡すことができます。しかもスカイツリーまで見えちゃうのですよ。猛禽類やキジ、ヒバリなど野鳥の観察にも最適。解放感いっぱいで、思わず深呼吸をしたくなります。この公園ならではのものが、もう一つ。矢切を舞台とした名作、伊藤左千夫の『野菊の墓』の石碑です。「後の月といふ時分が来ると…」という物語の原文が本の形をした石碑に刻まれていて、台の部分には「野菊のこみち」とあります。「民子さんコース」、「政夫さんコース」と名付けられたハイキングコースはここが起点。それぞれ野菊のこみちを通って周辺の見どころをまわります。矢切の渡しもここからすぐです。 (ミイ)
※駐車場あり
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