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初夏の低山ハイキング!関東七名城の1つ、唐沢山城跡へ!

2025年5月23日 第734号

佐野市といえば「佐野ラーメン」やB級グルメ「いもフライ」といった食べ物で有名ですが、市街地から近い場所に位置する「唐沢山」を知っていますか?かつて山頂(247m)には、軍神上杉謙信を幾度も苦しめた頑固な城が建っていました。現在、城の跡には築城主と伝わる藤原秀郷を祀る唐沢山神社が鎮座します。今回は、東武特急に乗って、そんな佐野市唐沢山へ、低山ハイキングに出掛けてきました。

松戸市内から鉄道の利用で佐野市に行くならば、JR線より東武線が便利。記者は今回、北千住駅から特急りょうもう号を利用。
館林駅で東武佐野線に乗り換えて、終点葛生駅の1つ手前、多田駅で下車しました。ホームに降り立つと、のどかな田舎の風景が広がる中、その一角に目的地の唐沢山を発見!駅は無人ですが、近くに24時間営業のコンビニがあるから朝早いお出掛けでも安心ですよ。

東武佐野線は2両編成のワンマン運転
多田駅ホームから唐沢山を眺める

駅改札口を出て踏切を渡り、佐野線と並行する国道293号線沿いにあるのが「加茂別雷神社」。「かもわけいかづち」と読みます。小高い丘の上に鎮座しているため登山前のウォームアップにいいですよ。登山の無事を祈願して、御朱印をいただこうと社務所に行くと、その種類がすごいんです。記者は直書きが好きなので、3種類しか選べませんでしたが、書置きが好きな人は、きっと迷うでしょうね。御朱印を確認すると可愛らしい雷くんが描かれたシートがついてきて、なんともほっこりしちゃいました。

「加茂別雷神社」
できれば遭遇したくない

神社から登山口に行くには、大ざっぱにいうと東へ向かいます。佐野線の踏切を渡り、秋山川に架かる京路戸橋を通過。工業地帯を抜けて、京路戸公園を目指しましょう。公園を過ぎた先は、いよいよ車両が通れない山道に入ります。すると「注意!熊が出没!」の注意書きが否応にも目につきました。こんな低山にも熊が出没するんですね。しかし低山といえど久々の登山で、記者はいきなり息切れ状態……。約15分ほどで、最初の分岐点「京路戸峠」に辿り着きました。そこから唐沢山神社までは2・9㎞の道のりです。

かなり危険な場所もアリ!

京路戸峠から先に進むと意外に道が険しくてビックリ。大人一人がどうにか通れる道幅で、足を踏み外せば、かなり危ない感じです。そして困ったことに、分かれ道に案内板が少ない。実は今回の登山にベストな地図が見つけ出せず、簡易な地図を頼りに歩いていたため余計心配になりました。まず第一の分かれ道を記者は本能で右手に進みましたが、これがそこそこ傾斜の登り坂。そして今度はロープをつかまないと怖いくらいの下りになり、再び道と合流しますが、おそらく左手を進んでいた方が平坦な道を進めたのでは……。それ以降も分岐点では悩まされましたが、少しでも怪しいと思ったらすぐに引き返しましょう!

その後、車両が通れるほどの道や狭い道を進んでいくと「車井戸」という場所に辿り着きました。説明書きには本丸の下にあった井戸とのことで、ようやく城内に着いたと分かり一安心。実は唐沢山、車で簡単に境内にアクセスできるんです。それゆえ参道に比べて境内は観光客が多く、猫も多い(笑)。社務所付近ではその日、初の絶景を堪能します。あいにくの曇り空だったため眺望はイマイチでしたが、それでも眼下に広がるパノラマに満足。そして急な階段を登り、社殿が建つ本丸跡へ。圧巻は二の丸から眺める関東の古城には珍しい石垣!重機のない時代、巨大な石をどう運び積んだのか、脱帽です。そんな唐沢山城は、藤原秀郷の子孫である佐野氏の居城で、長い歴史があり、なんといっても軍神上杉謙信を大いに悩ませた頑固な城として有名です。ですが江戸時代に入ると、城から江戸の火事を発見し、駆けつけた城主が将軍家にお叱りを受ける展開になり、なんと廃城に……。その後、佐野氏は佐野駅北口に新たな城を築いて移り住みます。

観光客は多いが、猫も多い
唐沢山神社から関東平野を眺める
関東の古城には珍しい石垣!

天狗岩で絶景を堪能した後、記者は佐野線の田沼駅、吉水駅、堀米駅方面に下山をすることを考えていました。しかし下山後分かったのですが、レストハウスから鏡岩ハイキングコースを選択した時点で既にミスだったのです。「権現堂」「飯守山」「岡崎山」と山頂を経由して、第2駐車場に出ました。ここで舗装路を下れば堀米駅にいけたのですが、さらに山道を下り、山間部の集落に到着。スマホの地図アプリで確認すると、なんと駅とは全く反対の方向に下山してしまったのです。その時点で選択肢は1つだけ。佐野市街地まで歩くしかありません……。これが相当の距離でしたが、山道を歩くよりは楽だと開き直り前進します。県道141号線を南下し、犬伏町交差点で例幣使街道へ。犬伏と言えば真田親子が関ヶ原の合戦の前に別れた場所。でもそのときは、すでに正午を過ぎて空腹状態に悩まされていたため、歴史のうんちくなど上の空。もう「佐野ラーメンを食べる!」ことしか考えられませんでした。

 佐野駅を通過し、目指すは佐野厄除大師。その途中で佐野ラーメンを食べようと思ったのですが、行きつく店はどこも長蛇の列。並ぶ気力はなく、結局厄除大師に着いてしまいました。半ばあきらめたそのとき、門前に佐野ラーメンと書かれたドデカイ看板を掲げたお店があるではないですか!もはやここしかないと入店し、佐野ラーメンとイモフライを一本、そして缶ビールを注文。なんともレトロな雰囲気が素敵なお店で、落ち着きます。佐野ラーメンといえば11年前に一面の企画で取り上げて食べたんですよね。ときが経つのは早いもの。ビールで喉を潤した後、久々の佐野ラーメンとご対面です。もうズルズルと食べちゃいましたよ。そうそう、優しい薄味のスープがいいんです。子どものころにお店で食べたような懐かしい感じがするんですよね。ソースがタップリついたいもフライも美味しかった!

佐野厄除け大師の本堂
11年ぶりの本場佐野ラーメン

 帰りも東武線を利用しますが、日中は1時間に1本というローカル線のため時刻は要注意ですよ。それと佐野厄除大師の最寄り駅は佐野駅ではなく、佐野市駅。メチャクチャ紛らわしいですよね。そんな佐野市駅ですが、近年駅舎を立て直したのか、かなりキレイ。自動券売機で、特急券もバッチリ買えます。実は駅スタンプがあることを耳にしていた記者。駅員さんに尋ねると「かなり古くてね。ちゃんと押せるかな?これ、だめになったらもう作らないと思うよ」と、笑顔で手渡してくれました。「それはかなり貴重ですね」と受け取り、いつもより念入りにインクを付けて、スタンプ帳へグリグリ押しつけて……、かすれましたが、どうにか印字できました!(パイン)

キレイな佐野市駅

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