注目記事

石碑めぐり 281

弥都波能売神-みつはのめのかみ-(流山市流山 流山浅間神社)

2026年8月7号 第763号

 流山市の浅間神社は、木花開耶姫命(このはなさくやひめ)を主祭神に祀ります。境内には県内でも有数の富士塚があり、江戸時代に盛んだった富士講の信仰を今に伝えています。
 本殿の脇には、弥都波能売神(みつはのめのかみ)と刻まれた石碑があります。弥都波能売神は『古事記』に登場する水の神で、火の神・迦具土神(かぐつち)誕生の際、母の伊邪那美命(いざなみ)が火傷を負い、そのときに流れ出た体液や尿から生まれたとされています。貴船大神や龍神など多くの水神と重ねて祀られることが多く、その名が前面に出ることはあまりありません。
 木花開耶姫命は「火」を象徴する神格で、弥都波能売神は「水」を象徴します。日本神話では両者は対立するものではなく、火山が雪を抱き、その雪が水となって田畑を潤すように、循環する自然の力として描かれます。これは富士山信仰の世界観ともよく調和しています。
 本殿脇に独立した祀りの場として石碑が置かれていることから、地域の人々が弥都波能売神を大切にしてきた思いが伝わります。千葉県内でもこの神名を正面に大きく刻んだ石碑は多くはなく、貴重な存在といえます。    (かつ)

※参考図書/「日本古典文学大系1 古事記」「図解日本神話」
◎所在地/流山市流山1丁目153

関連記事

  1. 今日のお花は何の花?
  2. UKIUKIウォッチング
  3. 今日のお花は何の花?
  4. 石碑めぐり 268
  5. ウキウキ松戸ウォーカー
  6. UKIUKIウォッチング
  7. 神社・仏閣めぐり 5 
  8. UKIUKIウォッチング

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

  1. 2026年9月4日(765号)
  2. 辻に立つ神道祖神と“境界”の信仰史
  3. ENJOYサークル
  4. UKIUKIウォッチング
  5. 午年だから『馬』の漢字がつく駅制覇!~千葉県編~

おすすめ記事

2026年9月4日(765号)

2026年9月4日(765号)【今号掲載の記事】■1面特集:辻に立つ神…

おすすめ記事

  1. 2026年9月4日(765号)
  2. UKIUKIウォッチング
  3. ENJOYサークル
PAGE TOP