松先稲荷神社(松戸市松戸)
2023年4月21日号 第684号
稲荷神社は、大小さまざまなものが各地に見られ、その数は全国で四万とも五万とも言われます。願いを込めて奉納される、朱色の稲荷幟旗(いなりのぼりばた)が特徴で、本殿までずらりと立てられ、参拝する人を迎えます。総本社である京都の伏見稲荷大社では、朱色の鳥居が奉納され、「千本鳥居」として広く知られますが、実際の数は約一万にもなるそうです。
この伏見稲荷を勧請したのが「松崎稲荷神社」です。その勧請の道中で、たまたま同じ目的の草加の人たちと同宿となり、東海道と中山道に分かれて、伏見まで競争することになったそうです。結果は、松戸の人たちのほうが一日早く伏見に到着することができ、先に勧請できたことから、「いちばん先」を意味する「まっさき」が「松崎(まつさき)」として付けられたと言われます。
名のいわれはもう一つ伝わっていて、伏見稲荷大社が火災にあったとき、「まっさき」に御祭神霊を奉献したことから、「松崎稲荷神社」と称するようになったとされます。かつて京都市街地の約八割が焼失した「天明の大火」と呼ばれる大火災があったので、もしかするとそれからなのかもしれません。
稲荷神社の御祭神は、「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)で、「お稲荷さん」と呼ばれ親しまれています。「宇迦(うか)」は「食(うけ)」を表しており、主食としての米などの穀物を意味します。そこから、稲荷神は五穀や食物を司るとされています。 (かつ)
※参考図書/「松戸の歴史案内」「図説あらすじでわかる!日本の神々と神社」「伏見稲荷の暗号 秦氏の謎」
◎所在地/松戸市松戸1426
◎所在地/松戸市松戸1426
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