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喜多川歌麿も愛した街、栃木を散策!

2025年12月5日 第747号

小江戸蔵の街「栃木」を訪れたのは、2014年、一面記事の取材で訪れて以来10年以上ぶり!今回は、マイカーを利用しての日帰り旅行を楽しんできました!

 ナビを設定すると松戸市内の自宅から栃木の市街地までは100kmほど。多様なルートで行けますが、記者は千葉県道5号線で流山市を抜けて、野田市から玉葉橋を渡り埼玉県へ。国道4号線(春日部古河バイパス、古河小山バイパス)を経由し、国道50号線に入り小山市街地を通過。そして栃木県道153号線を北上し栃木市に向かいました。金銭的に余裕があれば、高速道路(外環道、東北道)の利用がおススメです。

 栃木市観光協会のウエブページでは、396台止められる栃木市役所の立体駐車場が、なんと無料とのこと。市街地のメインストリート沿いに位置する市役所は、東武系列の商業施設とセットになった造りになっています。小山方面から来たら、その建物を過ぎて左折。脇道に入ると左手に駐車場の出入口がありますが、ちょっと分かりにくく、記者は一度通り過ぎてしまいました。なので、脇道に入ったらゆっくり進んでください。ちなみに11時台に到着しても、駐車場は空いていましたよ。

 和洋折衷古き建築物が立ち並ぶ市街地のメインストリートは「日光例幣使街道」(栃木県道11号線)と呼ばれています。例幣使とは江戸時代、天皇の代理として、朝廷から神への毎年のささげものを納めるために派遣された勅使のこと。つまり神となった徳川家康を祀る日光東照宮へ行くために整備された街道なのです。そして栃木は街道の宿場になり、巴波川(うずまがわ)による江戸との船運にも恵まれ、商都として大いに栄えました。現在でも栃木県において栃木市は、宇都宮市、小山市に次いで約15万人が住む都市。大戦による被害も小さかったことから、埼玉県の川越や千葉県の佐原のように古い町並みが今でも見られる観光地としても有名です。

市街地のメインストリート「日光例幣使街道」。

 駐車場から栃木市観光総合案内所までは、歩いて5分ほどで行けますが、寄り道します。松戸駅西口側の旧水戸街道沿いと同様、栃木宿には寺社仏閣が多く、街道から脇道に入ってすぐの場所にあるのが栃木のお伊勢さま「神明宮」。御朱印は月初めの日だけ書き込んでもらえます。訪れた日が2日だったため書置きの御朱印をいただきました。すると添えられていた紙には「栃木県名発祥の社」の表記が。諸説はあるそうですが、興味のある方は、ほかの説と合わせて調べてみると面白いかもしれませんね。

栃木のお伊勢さま「神明宮」。

 神明宮のそばに「近龍寺」という名の寺院があり、明治初期には、栃木県最初の小学校と師範学校が開設された場所だったそうです。境内に入ると目立つように「山本有三の墓」と案内板が立っているのですが、どんな人だろうと調べたら文化勲章を受章した文豪なんですね!さらに江戸時代の狂歌師、通用亭徳成(善野喜兵衛)、住吉浦近(森小兵衛)の墓も発見。徳成に関してはこの地の豪商で、大河ドラマで話題の浮世絵師、喜多川歌麿を支援した人。そう、栃木と歌麿の関係はとても深いんです。この後は、栃木市観光総合案内所で観光マップをいただき、巴波川へと向かいます。

文化人が眠る「近龍寺」。

 栃木は蔵の街とも称されます。巴波川に建ち並ぶ蔵の風景は有名ですよね。大きな蔵が多いということは、様々な物資が行き交い商いが盛んだった証明です。川には無数の大きな鯉がゆうゆうと泳ぎ、親鳥と間違えているのか、手漕ぎ舟のあとをガアガア鳴きながらついていく小鴨の様子がなんとも可愛らしい。ふと気づいたのですが、川の転落防止柵にひっかけられた小箱の中に鯉の餌が売っていました。1つ購入して、水面にばらまくと鯉だけでなく鴨も一緒になってここぞとばかりにがっつく様子なんとも愉快。その後は、歌麿の絵を鑑賞するために栃木市立美術館へ。展示を通じて江戸時代後期に江戸を中心として栄えた町人文化(化政文化)が、この地にまで影響を与えたことを知りました。

巴波川に建ち並ぶ蔵の風景。
歌麿の浮世絵が鑑賞できる「栃木市立美術館」。

 市街地を離れて県道269号線を西へ進むと前方に連なる山々が徐々に近づいてきます。ナビの指示通り國學院大学の施設を通過した直後に右折すると、いきなり急勾配で狭い道に!しばらく九十九折りの山道を進みます。人の気配はなく対向車も見られないので、多少心配になりましたが、やがてそこそこ広い道に出ます。再度狭い道に入って進んでいくと公衆トイレが見えますので、その付近が太平山(おおひらさん)神社の駐車場です。記者が訪れた際は混雑していて、駐車場に止められず、道路脇に縦列駐車しました。太平山の山頂にある境内までは徒歩ですぐ。社殿前の展望台からは関東平野が一望できて、筑波山の雄大な姿も見ることができますよ。

太平山の頂上から栃木市を見守る「太平山神社」
境内の展望台からは、関東平野が一望できる
「平柳星宮神社」境内は静寂に包まれ、神秘的。

 下山後は、再び市街地へ。新栃木駅そばにある「平柳星宮神社」を訪れました。駅近くにあるにも関わらず、木々に囲まれた境内は静寂に包まれ、とても神秘的な場所です。御朱印もいただき、大満足!これで、今回の旅は無事終了……と言いたいところですが、ドライブなので、自宅に着くまでは気を許せません。歩き疲れた体をリフレッシュするためにも帰りの途中、国道50号線沿いにある道の駅「思川」に立ち寄りました。大きな施設で、飲食店もあり、新鮮な地元産の農作物や特産品を購入できるため、おススメです。   (パイン)

道の駅「思川」でリフレッシュ!

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