藤塚稲荷跡石碑(松戸市日暮)
2020年10月23日号 第624号
新京成線「八柱駅」北口ロータリー緑地の片隅に、室町時代の永禄7年(1564年)に起きた「こうのだいの戦い」にまつわる小さな石碑があります。この戦いでは矢切台地、栗山、国府台で安房の里見氏が小田原の北条氏と戦いました。この時、小金城の高城氏も北条方の武将として武功を挙げています。里見氏は敗戦、敗走した里見氏は日暮まで逃げ、山の中で切腹して果てました。
この里見氏は安房の戦国武将で「南総里見八犬伝」の物語が生まれた家系に結び付いています。千葉ゆかりの里見氏を偲び村の人たちが今の「八柱駅」北口付近に藤の木を植えて藤塚稲荷として祀りましたが、駅前の開発で藤塚稲荷は徳増院に移されました。その名残をとどめる石碑です。草刈りなど手入れが行き届き石碑は直ぐに目につきます。 新京成線が開通したのは1947年(昭和22年)で「八柱駅」が開業した1955年(昭和30年)ころにはたたりがある。幽霊が出るという噂も出たそうです。当時は寂しい住宅街だったのでしょうね。今では武蔵野線「新八柱駅」も開業し、大型スーパーの出店、話題の小売店、外食チェーン店、大手企業の営業所など商業地として賑わっていて今昔の感があります。
尚、戦いの舞台の一つとなった国府台には国府台城址があり「里見公園」として整備されています。
(お富さん)
◎所在地/松戸市日暮2-1
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