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松戸の近くにあった仙台?茨城県龍ケ崎市の秘密!

2021年5月14日 第637号

松戸から常磐線で30分掛からない茨城県龍ケ崎市。実は記者、龍ケ崎市内の某学校に通っていた経歴があり、青春時代を過ごした想い出深い土地でもあります。その龍ケ崎が、実は戦国大名伊達政宗と、歴史上深い関係にあった事実を知ったのは、つい最近。休日、その真相を確かめに数十年振りに懐かしき想い出の地を訪ねてみました。

 

【独眼竜の領地だった龍ケ崎】

 戦国の雄、伊達政宗は誰もが知る武将でしょう。伊達家は江戸期、仙台を拠点に62万石を支配した大大名ですが、その内の2万石はいわゆる飛び地で、1万石の領地が現在の龍ケ崎市内に存在したのです。歴史好きの記者ですが、仙台藩(伊達藩)が龍ケ崎領に陣屋を置いて支配した歴史的背景を知ったのはつい最近で、実際は龍ケ崎市内全域が伊達領ではなく、他藩の領地や幕府領に寺社領と様々な権力者に支配されていたようです。

【龍ケ崎市駅と佐貫駅】

「龍ケ崎市」駅と「佐貫」駅

 藤代駅を出て小貝川を渡り、いよいよと思いきや、あれ?次は「佐貫」駅ではないのです!現在は「龍ケ崎市」駅と名称が変わり早1年が経ちました。旧佐貫駅のホームに降りるのは数十年振り。記者は駅から学校までバスで通っていたのですが、時よりバス以外にも利用した交通手段があります。それが「関東鉄道竜ヶ崎線」です。しかし龍ケ崎?竜ケ崎?龍ヶ崎?竜ヶ崎?この後、市内を歩き回り様々な場所で地名表記を見るもとにかくバラバラなのです!どれが正しいのでしょうか?そしてJR常磐線「龍ケ崎市」駅と隣接する関東鉄道竜ヶ崎線の駅は「佐貫」! もう混乱しますね(笑)。

【関東鉄道竜ヶ崎線】

 関東鉄道竜ヶ崎線はJR常磐線と龍ケ崎市の中心街を結ぶ私鉄路線で、今年開業120周年を迎えました。路線距離はたった4・5㎞で駅は3つ、全線が非電化の単線であり、戦後、私鉄初のワンマン運転を開始したことでも有名です。記者は貧乏な学生時代、バスが走らない時間帯、竜ヶ崎線には大変お世話になりました。駅に駆け込むと「切符は後でいいからとにかく乗って!」と、駅員さんとのほのぼのとした出来事を今でも覚えています。
 今回は佐貫駅で「竜鉄コロッケフリー切符」を購入しました。500円で乗り放題&後に紹介する「龍ケ崎コロッケ」が割引になるお得な切符です。ホームで待つこと数分、やってきたのは旧国鉄型キハのディーゼル車で、たった1両編成。想い出深い車両がまだ元気に走っていたのですね!竜ヶ崎線ですが、佐貫と竜ヶ崎間にひと駅「入地」という駅があり、ここが物凄く風情があります!そこそこ本数はあるので、時間に余裕があればぜひ途中下車してみてください。何もありませんけど、それがまた最高です!

唯一の途中駅「入地」

【竜ヶ崎駅】

「竜ヶ崎」駅

佐貫から10分も経たずに終着駅竜ヶ崎に到着しました。駅舎の雰囲気は記者が利用していた当時とさほど変わりませんが、駅舎にあった立ち食い蕎麦屋がなくなり、駅前のショッピングセンターが閉鎖していたりちょっと残念。
 駅隣には車両基地があり、竜ヶ崎線を走る他の車両を間近で見ることができました。竜ヶ崎線はICカードが利用できますが、竜ヶ崎駅では列車到着寸前までホームに入れないローカルな光景は、現在の首都圏近郊では相当珍しいと思います。

キハ2000形「まいりゅう号」
昭和風情が残る「竜ヶ崎」駅構内

【愛宕神社】

竜ヶ崎駅から北へ向かい愛宕神社を訪れました。小高い丘の上に境内があり市街地を一望できます。この神社は政宗の嫡子で、仙台藩2代目藩主忠宗によって創建されました。伊達家は代々愛宕神社を崇拝していたようです。社殿の左甚五郎作と伝えられる鷹の彫刻は逸品!龍ケ崎領は飛び地でしたが伊達本家と大変ゆかりが深く、忠宗は龍ケ崎村長の娘たけを側室に迎えます。その後たけは8男9男を儲けますが、8男宗房は宮床伊達家を興し、その子吉村が仙台藩5代目藩主となるのです。
歴代藩主では最長在職で、その治世は40年。就任時、破綻状態だった藩の財政を建て直したことから仙台藩「中興の英主」と称された名君でした。

「愛宕神社」境内から市街地を眺める
社殿の見事な彫刻

【龍ケ崎市歴史民俗資料館】

 愛宕神社から徒歩で数分の場所にあります。建物に入る前に蒸気機関車が展示されているのを見つけました。それは昭和40年まで竜ヶ崎線で活躍し、駅の120周年記念横断幕にプリントされていた4号蒸気機関車です。
 館内の展示はとても見応えがあり、ここに来れば龍ケ崎の歴史がバッチリ学べます。ひと際目立つのは仙台領柱。政宗は町の出入口に龍ケ崎が仙台領である標をしっかりと建てたのですね。

竜ヶ崎線4号蒸気機関車

【般若院】

樹齢推定400年以上の枝垂桜

記者の目当ては本堂裏手にある枝垂桜。樹齢推定400年以上、樹高約10m、目通り幹囲約5m、枝張り東西約15m・南北約22mの巨木です!もう少し時期が早ければ…、残念でした。

【陣屋跡】

龍ヶ崎の古き街並み

陣屋とは江戸時代の幕藩体制における大名領の藩庁が置かれた屋敷のことです。伊達家は飛び地の龍ケ崎領に現地出張所として陣屋を設置していました。しかし残念ながら陣屋があった痕跡は、現在何も残っていません。

【龍ケ崎コロッケ】

名物「龍ケ崎コロッケ」

佐貫駅で買ったお得切符には、指定店舗で龍ケ崎コロッケを買うと150円割引きになる優待券がついています。
龍ケ崎市は「コロッケで街おこし」の活動が有名で「第2回ご当地メシ決定戦2014」において「龍ケ崎コロッケ」が日本一に選ばれています。「それは絶対に食べなくては!」。各店舗で様々なコロッケがあるようですが記者が食べたのは「横綱コロッケ」。これが大きい!何もつけず食べましたが本当に美味い!そしてアツアツでした(笑)!

【牛久沼はうな丼発祥の地?】

「うな丼発祥の地」で美味しいうな丼を食べよう!

龍ケ崎市駅から徒歩10分程、国道6号線から見える牛久沼は、牛久と称しますが沼全域が龍ケ崎市内にあるとは知らず、また「うな丼発祥の地」であることも初耳でした。
 江戸時代、うなぎ大好き大久保今助という人物が偶然考案して世に広まったらしいのですが、諸説は様々。ですが牛久湖畔の国道6号線は「龍ケ崎市うなぎ街道」と称されて、美味しいうなぎが食べられるうなぎ専門店が並んでいます。せっかくだから奮発してスタミナをつけるのもアリですよね?   (パイン)
※取材日/4月18日

牛久沼

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