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石碑めぐり 215

矢喰村庚申塚~下矢切庚申塚~(松戸市下矢切)

2021年6月25日号 第640号

 

庚申信仰にもとづいた庚申塔は、日本各地に数多く建立されています。松戸も例にもれず、神社や寺院の境内でもよく見られます。地蔵尊や道祖神、馬頭観音などの石仏も少なくありませんが、庚申塔の数は群を抜いていて数百基にもなります。そして、そのほとんどは、江戸時代に造られています。
 矢喰村庚申塚(下矢切)で見られるのはその一つで、江戸時代の初期のものです。青面金剛が彫られた庚申塔としては松戸市最古であり、市の指定文化財となっています。
 青面金剛の浮き彫りの上部に刻まれているのは、日(太陽)と月です。これは、庚申の日の祭りが、月の出に始まり、翌日の日の出に終わることを表している、と言われています。
 庚申の日は、六十日ごとにめぐってくるもので、その夜は寝ないで、祭祀を行いながら、日の出まで語り明かしていたようです。当時の地域共同体での意思疎通には欠かせない時間だったのでしょう。
 そこから、庚申の夜の妊娠は禁忌とされるようになり、また庚申の日に生まれた者は盗人になるという俗信が生まれました。金に縁のある名前をつけることでそれを避けられるとされ、かの夏目漱石は、庚申の日に生まれたことから、金之助と名付けられています。
(かつ)

松戸市最古の庚申塔
矢喰村庚申塚

◎所在地/松戸市下矢切 

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