2021年10月8日 第647号
最近「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を
よく耳にしませんか? その中身を一緒に見てみましょう。
■SDGsとは
私たちの身近なところでも世界規模のことでも、問題は山積しています。それをすべて提示して解決へと導いていきましょうというのがこの取り組みです。
2015年9月に国連サミットにおいて全会一致で採決された「SDGs(sustainable development goals)」は、持続可能な開発目標という意味で、2030年を目途に達成しようというグローバルな取り組みです。
「誰ひとり取り残さず持続可能で多様性と包括性のある社会を実現する」ために、17のゴールと、その下に169のターゲットと232の指標が定められています。凄い数ですよね。ただ、日々流れるニュースに様々な分野やトピックスがあるように、それだけの問題や認識の違いなどがあるのだということは容易に想像できます。
さて、まずはどのようなものがあるのか、17ゴールを見てみます。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基礎を作ろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
■例えば、安全な水を
こう並べると、理想論を掲げているように思えますが、一つひとつがメディアでも取り上げられる内容です。例えば6の「安全な水とトイレを世界中に」というのは、今の日本に住む私たちにはほとんど直面しない問題ですが、国によっては井戸や下水道が整備されておらず、何キロも先の池にそれも衛生面で問題のある池の水であっても汲みに行くという状況があります。汚染された水を飲むということが人の体にどのような影響を及ぼすかは、感染症の蔓延を含め、想像できることかと思います。発展途上国と先進国では直面する問題が違っても、世界規模で考えると早急に解決すべき問題はたくさんあります。
■例えば、自然災害では
気候変動や海洋汚染などでは、水温の上昇によって魚の生息域が北上しているという事実や乱獲などによって漁獲量が減っているという現状があります。イカやサケ、秋の味覚のサンマが例として思い浮かぶのではないでしょうか。昔は旬の時期には安価で食せた魚も今は年々高くなっています。
また、日本でも毎年豪雨被害が起き、河川の氾濫や土砂崩れが起こっています。一方世界規模で見ても、豪雨被害はもちろん干ばつに見舞われ作物が枯れたり大規模な森林火災が起こったりしています。環境への影響ももちろんですが、食料生産においても大きな影響があります。こちらも世界規模で考えなければならない問題です。
■例えば、不平等
5には「ジェンダー平等を実現しよう」とあります。ジェンダーとは社会的・文化的に作られる性別のことです。世界的にみると教育を受けられずに読み書きができない、金銭的対価を受け取る就労につけない、人身取引の対象になる女性が多くいます。
議員や企業での重要ポストについている女性の割合も議論されています。これまでの文化や風習によるものが大きいようですが、国連開発計画(UNDP)が発表するジェンダー不平等指数によれば、北欧各国やオランダ、スイスは平等性が高く、日本は15位、不平等指数が高いのはアフリカの地域が多いと出ています。
日本でも、議員や内閣に占める女性の割合が低いと言われています。女性の能力が十分発揮できる環境を作り上げるよう求められています。
10には「人や国の不平等をなくそう」とあります。性別はもちろん、年齢や障害、人種や宗教などで、差別が生まれています。先進国と発展途上国では、経済格差により国際社会での発言の場が失われることがあります。そういった不平等をなくすことで、すべての人にとって社会的・経済的・政治的に平等な社会ができるよう目指しています。
■私たちにできること
17ゴールには、国単位・企業単位で取り組むべき課題が多いように見えますが、私たち一個人、一家庭でできることもたくさんあります。国や企業からの提案に協力する・参加したり、ひとり一人の心のありようを変えたりすることで、SDGsに賛同し行動をおこしませんか。
例えば、スーパーやコンビニでもらえたポリ袋は有料化になりました。エコバッグは一時品薄になりましたね。実際にこの袋がたくさん捨てられ、海にも流れ出て海洋生物がそれを食べ胃から出てきたという報告や、自然に還らないので海中などに蓄積し、自然破壊につながっているという報告が以前からあがっていました。実際のところ量を減らすだけの目的ならば、プラスチック製品のゴミ削減にはつながらないかもしれませんが、それだけではなく、この有料化は無駄なゴミは出さないというリサイクルへの意識につながっているのではないでしょうか。
環境への配慮もそうです。車の排気ガスの汚染も問題になっていましたね。かつては交通量が多い環状七号線や八号線真上に排気ガスの雲ができ、環七・環八雲といわれていたことがありました。今は環境や限りある資源を大切にする観点から、電気自動車や水素自動車、てんぷら油から作られる燃料で動く自動車が開発され、使用されています。
固く捉えがちなこの言葉ですが、もうすでに取り組まれていることもあるでしょう。既述したリサイクルや食品ロスを減らすこと、人の価値観や多様性を受け入れていることなど。もしかしたらフェアトレード製品などを選んで購入している方がいらっしゃるかも。
小さなことでも実は大きなことだったりします。17の項目について考えてみるだけでも、他に自分ができることが見つかるかもしれません。
(みじゅ)
●外務省
https://www.mofa.go. jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
●松戸市のSDGsへの取り組み
https://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/keikaku-kousou/sdgs/index.html
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