胡籙神社(松戸市大橋)
2022年8月19日号 第668号
祭神は、面足命(おもたるのみこと)・惶根命(かしこねのみこと)。由来はわかっていませんが、一説によると文禄三年に、神社の隣にある日蓮宗本源寺を創建した秋山虎康の氏神であったものを大橋村の鎮守としたと伝えられています。階段を上ると二組の狛犬が出迎えてくれます。手前の狛犬には明治三十九(一九〇六)年、奥のは昭和六十三年の銘。大橋の胡籙神社といえば、和名ヶ谷の日枝神社、上本郷の風早神社と並んで三匹獅子舞が有名。いずれも松戸市の無形文化財に指定されています。三匹獅子は、先獅子一人、中獅子一人、後獅子一人。おしゃれ獅子とも言われ、唐草模様の衣装の下に、五色の襦袢をつけて舞います。獅子の他に、赤い半纏と股引に頬かむりをした道化役の猿一人。猿は安産や良縁のまじないとして踊り、神様にお供えしたお下がりの柿を観客に向かって投げます。これを手にした人は幸運に恵まれるそうですよ。そして歌い手一人と笛が数人。祭礼は十月下旬の土日に行われ、一日目に「宿入り」と呼ばれる、宿になる家の馬をほめる舞、二日目は「神前の御子舞」という、神社の建物が立派なこと、またそれを建てた大工の腕が優れていることをほめる舞をします。五穀豊穣を祈願し、村から悪魔を退散させるという獅子舞。本殿の裏手には、稲荷山という台地の美しい畑地が広がっています。(ミイ)
◎所在地/松戸市大橋769
※参考文献/『松戸の歴史散歩』千野原靖方著
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