2023年11月17日 第698号
宇都宮は北関東最大の都市で、栃木県の県庁所在地。そして何と言っても餃子で有名ですよね!でも今回のお目当ては、今年8月に開業した『宇都宮ライトレール』なのです!
【ライトレール(LRT)とは?】
先日のニュースで、「路面電車がない都市での新線開業は、1948年以来の事例」と宇都宮ライトレールの話題を報じていたのですが、そもそもライトレールって何?
調べると「Light Rail Transit(ライト・レール・トランジット)/LRT」は在来の路面電車を近代化した鉄道だと分かりました。車両の床を低くして乗り降りを楽にし、騒音や振動が少なく、道路上を走る場合も専用軌道を設けて渋滞を避け……、つまり、人口や交通量の多い市街地にフィットする路面電車なんですね。
【まずは、餃子です!】
上野駅から宇都宮線に乗り換えて、2時間ほどで宇都宮駅に到着します(お金に余裕がある方は、新幹線を利用すると40分ほどで着きますよ)。記者は今回、宇都宮駅へ10時半に到着する電車を利用しました。理由は、餃子専門店の開店時間に合わせたからです(笑)。宇都宮駅周辺には餃子専門店が数多くありますが、どこが良いのかネットで調べても検討できず、結局数年前に訪れた駅近くのお店に決定。すると前回同様、開店前なのに長蛇の列が!それでもどうにか3番目に入店できてホッとしました。メニューは餃子とライスのみ。せっかく来たからには全種類食べようと、焼き、水、揚げ餃子と生ビールを注文。まずは、宇都宮名物の餃子を平らげて満足です!
【そして神社へ!】
餃子を食べた後は、神社巡りへ。宮がつく地名、そう、宇都宮は門前町で、駅から徒歩で15分ほどの場所には下野国一宮「宇都宮二荒山神社」があります。その社家(代々、特定神社の奉祀を世襲してきた家)宇都宮氏は、22代500年以上にわたって下野国(栃木県)を治め、国司や守護を歴任し戦国大名として有名ですよね。祭神である第10代崇神天皇の第一皇子「豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)」は、天皇の命で東国を鎮めました。武勇・武徳に優れていたので、藤原秀郷、源頼義、源義家、源頼朝、徳川家康など、名立たる武将たちが戦勝祈願したそうです。
次に参拝したのが宇都宮二荒山神社の北部に位置する「蒲生神社」。祭神の「蒲生君平」は宇都宮出身で、「前方後円墳」という言葉を初めて用いた江戸後期の優れた儒学者です。死後、学問の神として崇敬を集め、大正時代に蒲生神社が創建されました。また、相撲とのかかわりも深い神社で、大鳥居は同県出身の第27代横綱栃木山が奉納し、本殿側には宇都宮城跡より移設された「日下開山初代横綱明石志賀之助碑」もあります。明石は宇都宮出身の力士で初代横綱。「日下開山」は横綱に相当する力士に与えられた称号です。江戸時代、天下一を名乗ることは法律で禁じられていたので(徳川将軍が天下一)、角界では仏教で新しい寺院を開いた僧に与えられる称号「開山」にちなみ「日下開山」を使用したそうですよ。
【宇都宮城址公園へ!】
宇都宮は門前町であり、城下町でもあります。関東7名城の1つ宇都宮氏の居城であった宇都宮城の築城は平安時代と古く、江戸時代になると宇都宮藩主となった本多正純により近世城郭へと整備されますが戊辰戦争で焼失。明治時代には公園になるも、時が経つにつれて都市開発により城の遺構はどんどん失われていきました。しかし平成時代、宇都宮城復元の機運が盛り上がり、発掘・資料調査の後、本丸の櫓や堀が復元された「宇都宮城址公園」が造られます。園内の資料館では城にまつわる歴史がバッチリ学べますよ。記者は青空のもと、園内のベンチに腰掛けて宇都宮駅構内で購入した駅弁を完食。千円以内で購入できる駅弁は少なくなりましたが、松廼家「いっこく野州どり弁当」は1000円(税込)で、ボリューム満点!鶏好きにオススメです!
【いよいよ、宇都宮ライトレールに乗車!】
さて、宇都宮駅へ戻り駅の東口へ。すると宇都宮ライトレールの駅案内板を発見!開業から日が浅いので、ホームでは駅員たちが利用者に乗車の方法について丁寧に説明していました。そうそう、宇都宮ライトレールは交通系ICカードの利用が絶対に便利!もちろん現金でも乗車できますが、出口が制限されて下車が不便に(3両編成の車内が混雑しているので出口への移動が面倒!車内でチャージが可能です)。
しばらく待っていると、やってきたのはミツバチ(スズメバチ??)カラーのヨーロピアンな車両。車内に入るとシートは豪華で、ワイファイも完備されて良い感じです。宇都宮駅を出ると、ゆ~っくりカーブを曲がり、すぐに一般道へ。道路の真ん中にある専用軌道を車より遅いスードで走ります。揺れはさほど感じず、交差点では信号に従います。「宇都宮大学陽東キャンパス」駅を過ぎた後は道路を離れて、車両基地を通過し鬼怒川を渡った「飛山城跡」駅で下車しました。
【飛山城史跡公園へ!】
駅周辺は宇都宮駅周辺とは真逆で、自然あふれる田舎風景が広がります。駅名の由来になっている「飛山城史跡公園」へ徒歩で向かいましたが、そこそこの距離。ここで要注意!ライトレールの駅にはトイレがありません。駅から公園までの道中にコンビニなどの店舗はナシ。ライトレールに乗る前に宇都宮駅周辺で済ませるか、もしくは公園に着くまで我慢するかのどちらかです(記者は後者を選択し、つらい目に……)。
飛山城は鎌倉時代後期、宇都宮氏の家臣、芳賀氏によって築かれた城で、豊臣秀吉による宇都宮仕置で廃城になりました。現在は国指定史跡の公園になっています。
園内は広く、うっそうとした林を進んでいくと、やがて開けた場所へ。そこが絶景スポットで、眼下に鬼怒川、前方には宇都宮市街地と日光連山が見渡せる絶景をぜひ堪能してください!
【お土産を買うならば、宇都宮駅の駅ビルで!】
宇都宮ライトレール沿線の温泉施設や酒蔵(平日のみ開店)に寄りたかったのですが、歩き疲れて飛山城跡駅からそのまま宇都宮駅へ。お土産を買うには駅ビルが便利!県庁所在地の駅ビルには大抵お土産店がたくさんあって、宇都宮駅も例外ではありません。
「お土産を買った後は、ゆったりグリーン車で眠って帰るだけ」と、いざ駅に行くと……、上野方面の電車が意外に少なくてビックリ!(土曜16時台で1本ほど)。スマホアプリなどで帰りの電車時刻をあらかじめ調べておいた方が良いですよ! (パイン)
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