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紫陽花を植え続ける人

2024年11月8日号 第721号

 松戸市東部のある老人施設は、毎年六月頃になると沢山の色とりどりの紫陽花に囲まれます。それらを守り増やし続けているのは、今年86歳になるボランティアのYさんで、雨の日以外は、猛暑の夏も自宅から約一時間かけて徒歩で通っています。
 Yさんはかつて、その施設の職員でした。20年程前、他の職員に乞われて、ある入所者に紫陽花の切り花をあげました。その方は『とてもきれい』と喜ばれて、その日の夜に旅立たれました。その様子を職員から聞いたYさんは、施設にはもっと沢山のお花が必要だと思い、紫陽花を増やそうと考えました。
 そして今では紫陽花は約150種、1000株になっていますが、まだ挿し木をして、増やし続けています。綺麗な花を咲かせるには、相当の労力が必要ですが、施設に沢山のお花を飾りたいという思いが、頑張る原動力になっているそうです。
 今では入所者のみならず、近隣の人達もその紫陽花を楽しみにして、花の季節には沢山の人達が訪れています。その人達が和める場所にしたいと手作りの椅子も置いたので、紫陽花の季節以外にも、散歩する人達のオアシスになっています。紫陽花が好きな人には、好みの株を挿し木して、分けてあげたりもしています。そこは老若男女を問わず、沢山の人達が紫陽花を通じて集える場所になっています。
(まーちゃん)

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