2024年2月9日 第703号
「大回り」の言葉にピンときたら、あなたは鉄道マニアですよね?記者が1都6県の大回りを実行したのは、2019年。この度は、2度目の大回りにチャレンジしようと思いましたが、年始のバタバタでスケジュールが合わず……。ならばと考えたのが中回り!より気軽に楽しめる鉄道の旅をご紹介します!
【今回は、新松戸駅から北小金駅へ!】
列車の旅が好きで、低価格ならばベター!でも、各駅停車の座席で長時間は辛くて……。今回はそれらを考慮し計画した中回りコースです。新松戸駅を出発して、北小金駅へ!「えっ、そんな短距離、旅とは言えないぞ!」と怒らないでくださいね。大回りのルールを適用すれば、ちょっとした日帰り旅行に変身するのです!
【JR線「大回り乗車」の注意!】
JR線には「大都市近郊区間」という区間があり、首都圏では「東京近郊区間」。鉄道網が複雑なエリア内では、出発駅から到着駅まで、どのような経路を通っても良い特例があります。松戸駅から新宿駅までJR線で行く場合、日暮里駅で山手線の内回り、外回りでの経路が選択できます。それをフル活用したのが大回り。今回だと新松戸駅から隣の北小金駅へ通常2分で行ける距離を、あえて数時間掛けて遠回りします。しかし守るべき注意事項があり、同じ経路・駅を通過することは不可!つまり一筆書きで進まなければいけません。また、乗車は当日のみ(終電まで)で、さらに途中下車や、定期券は利用不可。大回り乗車のルールに関しては、ネットにて詳しいサイトがあるので、出掛ける前に必ずチェックしましょう!
【新松戸駅(7:47発)】
土曜の朝、新松戸駅の券売機で久しく切符(150円)を購入しました。ゴールの北小金駅へ行くのに常磐線各駅停車には乗らず、武蔵野線に乗って西船橋駅を目指します。この日は、大学入学共通テストの初日で、制服姿の学生が目立ちました。
【西船橋駅(8:02着/8:15発)】
JR総武・京葉線、東葉高速鉄道、東京メトロ東西線の乗換駅とあって、千葉県内の1日平均駅別乗車人員ランキングで上位を記録する駅。なので改札内にも店舗が多く、この企画においては大変便利!ここで総武線の各駅停車に乗り換えて、千葉駅へ向かいます。
【千葉駅(8:39着)】
西船橋駅から25分ほどで終点千葉駅に到着しました。房総方面の玄関駅で、改札内での店舗の多さは県内トップクラス!何より嬉しいのは今や県内でも風前の灯火、「駅弁屋」があること!房総方面の旅で、お世話になる千葉駅の駅弁屋と言えばマンヨーケン(万葉軒)。白飯の上に豚ロースカツが乗るシンプルな「トンかつ弁当」は特に有名ですが、かなり値上がりしてビックリ!このご時世、仕方がないですよね……。コンビニ弁当より高値ですが、列車の旅をより楽しくするアイテムに間違いありません。今回は「万葉寿司復刻版」を購入。ですが、さすがに普通列車の車内で食べるのは恥ずかしく、どこか乗り換え駅で食べることにしました。ちなみに千葉駅から下り方面は、改札内に売店がある駅は稀(ナシ?)。ドリンクの自販機はありますが、食べ物は千葉駅で必ず購入しましょう!
【千葉駅(9:16発)】
次は外房・東金線経由の成東行き各駅停車に乗ります。房総地域と言えば209系!塗装が剥げて痛々しくも頑張っています。6両編成で、ボックスシートやトイレを完備!旅情が高まりますね~。千葉駅を出て、本千葉駅を過ぎれば高い建物は減り、京葉工業地帯の巨大な煙突が目につきます。蘇我駅を出れば駅間がグッと長くなり、トンネルを抜ければ大網駅へ。その先、東金線内は、いよいよ単線区間。沿線には田畑が広がり、福俵駅、東金駅、そして難読な求名(ぐみょう)駅を通過し、終着駅成東に到着します。
【成東駅(10:00着/10:07発)】
特急停車駅ですが、駅改札口は1カ所。長いホームを有する広い構内は閑散としています。
記者はそんなローカル風情が大好き!しかし戦時中は、空襲により多くの方の命が奪われた場所でもあります。ここでは乗り換えが短時間。銚子方面から来た千葉行きの総武本線各駅停車209系に乗り換えます。今度は4両!さすがに座れません。ピーナッツで有名な八街駅を過ぎて、2020年、千葉県内秘境駅の取材で取り上げた南酒々井駅を経て、佐倉駅で下車します。
【佐倉駅(10:36着/10:54発)】
乗り換え時間に余裕があったので、ホームのベンチで駅弁を食べようと思いましたが、冷たい風に耐えられず断念!缶コーヒーで温まっていると特急「しおさい」号がやってきました。「銚子に行きたいな~」と思いながらも、成田線成田行きの各駅停車に乗ります。またまた209系です。
【成田駅(11:07着/11:14発)】
佐倉駅からあっという間に成田駅に到着。成田駅は構内が広く、列車の本数が少ない割には人が多い!「ちょっと地方に来たな~」とローカルっぷりが感じられる雰囲気が好きなんですよね。また、成田駅が面白いのは、4方向に延びる線路がすべて同一路線(成田線)であること!酒々井駅へ向かう上りと佐原駅に向かう下りの本線。そして成田空港駅へ向かう空港支線。さらに記者が次に乗る我孫子支線と、まさに成田線づくし!けど、改札内に売店はありません……。さて、松戸市民にお馴染み、常磐線快速でも使用されるE231系上野行きに乗り込みます。
【成田線我孫子支線】
成田駅を出ると、成田本線と別れて左に大きくカーブし、最初の停車駅、下総松崎(しもうさまんざき)に到着します。ここの駅舎は風情があり、周辺の田園風景が何とも美しいのです!ぜひみなさんも見てくださいね。その後、安食(あじき)駅、木下(きおろし)駅と進む中、ぼんやり車窓を眺めていると、沿線でカメラを手にする人が多いことに気づきました。「今日は特別な列車がくるのかな?」と思っていたら新木駅で、国鉄カラーの臨時列車を目撃!あわててシャッターを切り、なんだか満足しちゃいました(笑)。
レアな臨時列車に遭遇!
【我孫子駅(11:56着/12:26発)】
昭和時代は急行が停車し、長いホームが印象的な我孫子駅。そして鉄道ファンとして、真っ先に頭に浮かぶのは、山下清画伯が働いていた弥生軒の「唐揚そば」!ホームに店舗を構えているから改札を出られない記者もバッチリ食べられます。唐揚1つが大人の握りこぶしよりデカイんですよ!490円と値上がりしましたが、まだまだお得な感じ!さて、腹を満たし、常磐線各駅停車に乗り、ゴールの北小金駅を目指します。
【北小金駅(12:38着)】
改札で駅員さんに150円の切符を無効にしてもらえればメモリアルグッズに!おおよそ5時間の鉄道の旅。前回の大回りよりは全然ラクラクでした。えっ、千葉駅で買った駅弁はどうしたかって?この後、自宅で、酒のつまみになりました(笑)。
(パイン)
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