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からめきの瀬

2024年6月7日号 第711号

 松戸を代表する景勝地、矢切の渡し付近に「からめきの瀬」はあります。「瀬」は「浅瀬」を意味しています。もともと川底が浅く、引き潮の時に河床に岩盤が露呈することがあります。
 治承四年(1180年)十月二日、のちに鎌倉幕府を興す源頼朝は、上総で三万余騎とともに敵に気づかれないように、橋を渡らず、太日河(ふといがわ↓現在の江戸川)を、大潮の干潮の時をねらって武蔵国に渡り、鎌倉を目指したと言われています。(『吾妻鏡』より、元聖徳大学教授 花輪茂道)
 また、江戸時代の書『嘉陵紀行』の「からめきの瀬」の項には、「古、この所に石船沈て、水底に石あるゆへ、水棹にさはりて、がらがらと音をするをもて…」と記しています。しかし、「からめきの瀬」の正体は、石船が沈んだ石ではなく、温暖化による海水面の上昇によって削り取られた下総台地の痕跡です。縄文時代の温暖化が起こる前に、この付近まで下総台地が張り出していた名残で、環境問題を考える上でも重要な場所です。(市民ボランティア柴又エコロジー 学芸員谷口榮氏)     (タケ)

矢切の渡しから「からめきの瀬」のあたりを見たところ
大潮の頃、川底が見えることがあります

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