特集記事

ザ・中回り乗車!千葉県・東京都・神奈川県編!

2025年10月24日 第744号

 2019年「大回り」、2024年「中回り」「小回り」と続いた鉄道の旅を再び実行します。今回は、神奈川県内のJR線を乗りつぶすため、関東南部をぐるりと回ってきました。

 「大回り」「中回り」「小回り」とは、なんだという読者に改めて説明します。JR線には「大都市近郊区間」という区間があり、首都圏では「東京近郊区間」。鉄道網が複雑なエリア内では、出発駅から到着駅まで、どのような経路を通ってもよい特例を設けています。松戸駅から新宿駅までJR線で行く場合、日暮里駅で山手線の内回り、外回りの経路を選択できますよね。それをフル活用した乗車方法が「大回り」です。しかし守るべき注意事項があり、同じ経路・駅を通過することは不可。一筆書きで進まなければいけません。また、乗車は当日のみ(終電まで)。さらに途中下車や、定期券は利用不可。遠回り乗車のルールに関しては、ネットにて、詳しく説明しているサイトがあるので、出掛ける前に必ずチェックしましょう!今回は、松戸駅から隣の北松戸駅へ2分ほどで移動できる距離を、東京都・神奈川県を経由して遠回りします。

 前夜の深酒のせいで寝坊しました……。急ぎ松戸駅から常磐線に乗り、中央・総武線各駅停車、中央線快速を乗り継いで、八王子駅に到着したのは午前10時半。取材日は日曜、信州方面に向かう特急列車が停車し、横浜線や八高線も乗り入れる駅構内は混雑気味。でも主要駅のメリットとして改札内でもコンビニや飲食店が営業しているため、飲食には困りません。途中下車ができないこの旅でもミニマリストな旅が楽しめます。さて、八王子駅からは、横浜線に乗って橋本駅へ向かいます。

横浜線E233系。

 横浜線は、八王子駅から町田駅・長津田駅・新横浜駅を通って横浜駅へ続く路線で、さらに根岸線に乗り入れて、大船駅まで直通運転しています。時刻表で運転本数を調べると、休日10時台で6本。半数の3本は快速運転。8両編成ですが、乗客も多いですね。そして気づけば記者は、横浜線に乗るのが初めて!松戸市在住だと、横浜線に乗る機会はめったにないと思います。列車は八王子駅を出ると大きくカーブして南下し、車窓からは、高尾方面の山々の景色が見られました。片倉駅・八王子駅を通過した後は、トンネルを抜けて相原駅に到着。神奈川県に入ったのかなと思ったら、相原駅は東京都町田市なんですね。町田市は地図で見ると分かりますが、エリアが細長い!相原駅を出ると神奈川県に突入し、橋本駅に到着します。

全区間が単線でローカルな相模線。

 次もまた初乗車!相模線に乗ります。相模線は、橋本駅から東海道本線の茅ケ崎駅を結ぶ首都圏のローカル線。最新車両が使われているものの4両編成で、ドアは乗客がボタンを操作し開け閉めするタイプ。1時間に3本程の運行なため、橋本駅で30分以上の待ち時間が生じました。発車時刻が近づくと乗客は、それなりに増えましたが、2・3駅を過ぎると、空席が目立ちます。そして全区間が単線なので、途中駅では上下列車のすれ違いを行うための待ち時間が何度かありますが、特に印象深かったのは「相武台下」駅での待機時間。大山といった丹沢山系が、駅ホームから美しく眺めることができました。「原当麻(はらたいま)」という難読駅を経由し、列車が小田急線・相鉄線との乗換駅「海老名」で全区間の中間地点といった感じです。この後も列車は相模川と並行して南下し、12時近くに終点の茅ケ崎駅に着きました。

相模線E131系。
「相武台下」駅ホームからの美しい眺め。

 根岸線といえば昔、横浜スタジアムに野球観戦に行く際や、中華街を訪れた時に横浜駅から関内駅間を乗車した程度。それ以外の区間は初乗車です。茅ケ崎駅から東海道線を経て、大船駅で下車。根岸線ホームに行くと、そこには京浜東北線の車両が停車しています。根岸線は大船駅から横浜駅を経て京浜東北線と直通運転しているために同じ車両なんですね。大船駅を出発して東海道本線と分かれ、進行方向右手に大きくカーブし、トンネルを抜けて、まず到着するのが「本郷台」駅。「港南台」「洋光台」と台のつく駅名が続くこの区間は、高低差がある土地を走るためトンネルが多いですが、新杉田駅の手前で一転、沿線は港湾都市の景色に変わります。磯子駅・根岸駅と湾岸道路に沿って工業地帯を駆け抜けると、再びトンネル区間へ。にぎやかな横浜市街地へ出ると車内も混んできます。けれど、横浜駅以降はガラガラ。記者は鶴見駅まで乗車しました。

京浜東北・根岸線E233系。
工業地帯を駆け抜ける根岸線。
鶴見駅、鶴見線ホーム連絡口。

 京浜東北線を乗り続けて東京駅まで行くこともできましたが、それでは面白くないということで、鶴見駅で降りて、紙面で何度も紹介した鶴見線に乗ります。鶴見線は、都会の路線とは思えないほどレトロな駅舎が多く、初めて訪れたときはその様子に身震いするほど感動したものです。ですが近年、駅が改修されたり、最新式の車両も導入されました。安全性や燃費などを考慮すると致し方ないことでしょうが、古きものがなくなっていくのは妙に悲しい……。記者は、浜川崎駅から南武支線・南武線を経由して川崎駅へ。再び東海道線に乗り換えて、東京駅に向かいました。

鶴見線E131系。
南武支線E127系。

 この日、一番にぎわっていた場所は、東京駅。記者は、改札内にある崎陽軒の売店で立ち止まります。先日、出張の際、新幹線を利用したのですが、新横浜駅から隣席に乗ってきたビジネスマンが崎陽軒のシウマイ弁当をおいしそうに食べていたのをふと思い出し、衝動買いしていましました。京葉線の乗り換えが不便な点はいくども紹介していますが、本当に不便……。しかも武蔵野線にわずかの時間差で乗り遅れて意気消沈。車両にすぐ乗れましたが、発車まで20分以待ちます。最後尾の車両に乗っているのは記者だけで、駅弁を食ようかと悩むも、「ロングシートではちょっと」と、ためらいました(笑)。やがて列車は走り出し、いつしか寝てしまった記者。目が覚めたときは市川大野駅の手前。その後、新松戸駅で常磐線各駅停車に乗り換えて、北松戸駅に到着しゴール!所要時間は……、なんと9時間程!切符は駅員さんに無効にしてもらい記念に持ち帰りましょう。 (パイン)

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