特集記事

東西南北の端!高い低い!難読駅!~都区内編~

2026年10月9日 第767号

 今年のお盆期は、パッとしない天気が続きましたよね。そんな中、自宅でダラダラ過ごす日々を送っていた記者。「たまには散歩して、体を動かさないと……」と考えついたのが、またまた鉄道の駅巡り!今回は都区内限定で、気軽に行ける『ちょっとした特徴のある駅』を訪れました。

 取材で都区内を巡る際、過去には「東京メトロ24時間券」「都営まるごときっぷ」など、お得な切符を利用しました。さて今回は、どうするかと考えたときに見つけたのが「東京フリーきっぷ」。これ1枚で、都区内JR線、東京メトロ線、都営交通(地下鉄・都電・日暮里・舎人ライナー・バス)が1日乗り放題。それで1720円は、絶対お得!都区内の駅券売機で、購入できます。

意外な1位、日比谷線「北千住」駅。

 都心では地下を走る地下鉄も、郊外に出ると地上へ顔を出します。そこで「最も高い場所にある駅はどこだろう」と調べてみると、意外にも身近な北千住駅でした。地下を通る千代田線ではなく日比谷線のホームで、高架14・4mの高さは都区内の地下鉄駅として最高地点です。逆に、一番低い駅はどこでしょうか。答えは、都営地下鉄大江戸線の六本木駅。大門方面行きのホームがある地下7階は、深さ42・3mに位置します。ホームからA6出入口を目指すと、まずは長大なエスカレーターへ。乗り口の近くで「地下40m」の表示プレートを目にしつつ、エスカレーターを3本乗り継ぎます。前にいた人も「まだ着かないの?」と愚痴をこぼすほどの長さ。改札を抜け、さらに階段を上ってようやく地上へ。日本一深い地下鉄駅の名に偽りなしの道のりですよ。ちなみに全国の地下鉄深さトップ10のうち、大江戸線は4駅を占めています。もっとも、このランキングはあくまで「地表からの深さ」基準。海抜(標高)で見ると、東京メトロ半蔵門線住吉駅2番線ホームの方がマイナス31mと低い位置にあります。測定基準によって順位が変わるのも面白いところ。いずれにせよ、ホームと地上口を往復するだけで、そこそこ疲れました。

乗るまでに疲れる大江戸線「六本木」駅。
歩けばすぐ埼玉県、「見沼代親水公園」駅。

 実は幼い頃から、レールを見るとその端に行ってみたい衝動に駆られる記者。次は都区内の最北端に位置する駅を訪れました。すぐに頭の中で、埼京線の「浮間舟渡」駅を思い浮かべたのですが、正解は日暮里・舎人ライナーの終点「見沼代親水公園」駅なんですね。地図で調べると、駅から北へ向かえば徒歩数分で埼玉県草加市へ、西は川口市に接している突起した地域で、まさに都の北の端。日暮里・舎人ライナーは久々に乗りましたが、基本は無人運行なので、先頭後方は展望席となっています。ゆりかもめ同様、眺望が素晴らしく、童心に帰りますね。

 これは、全く知りませんでした。JR荻窪駅あたりかと思いきや、都区内最西端は西武新宿線の「武蔵関」駅。すぐ北を並行する西武池袋線の「保谷」駅もホーム端が練馬区にかかりますが、住所は西東京市です。西武線はフリー切符の対象外につき別料金。同線を利用するのは、昨年レッドアロー号で川越を訪れて以来。急行や準急などが入り交じるダイヤですが、車内放送の案内が細やかで助かります。目的地の武蔵関駅は各駅停車しか止まらないため、高田馬場駅から急行に乗り、途中の鷺ノ宮駅で乗り換え。沿線は商店街の中に佇む下町風情の駅が多い中、武蔵関駅は意外にも立派な橋上駅でした。

全く知らずの「武蔵関」駅。
本当に土手近くの「六郷土手」駅。

 都区内最南端の駅は、京急本線の「六郷土手」駅です。こちらもフリー切符エリア外となるため、品川駅から別料金を払って向かいました。まずは京急蒲田駅まで快特で一気に移動し、そこから各駅停車へ乗り換えます。東京都大田区の南端に位置するこの駅は、多摩川のすぐ手前。ホーム先端へ進むとまさに土手の上にあり、眼前に鉄橋、対岸には京急川崎駅が見渡せる抜群のロケーションです。停車するのは普通列車のみですが、川崎側から鉄橋を渡って勢いよく通過していく優等列車の迫力は見応え十分。京成の国府台駅や東武線の小菅駅を思わせる、独特の魅力にあふれた駅でした。

 京成線の「江戸川」駅かと予想したら、見事に外れました。正解は、都営新宿線の「篠崎」駅。江戸川と分岐する旧江戸川が都県境となっており、地図で確かめると、駅周辺が千葉県側へ突き出た格好になっています。フリー切符でこの駅を目指すには、都営新宿線を利用するしかありません。しかも隣は終点の「本八幡」駅(千葉県)。一駅乗り過ごせば即エリア外となり乗り越し精算が必要という、妙な行きづらさがあります。まさに「都区内の東の果て」を実感する駅でした。

ここも都区内「篠崎」駅。

 千葉県の難読駅といえば、近場ならJR成田線の「木下(きおろし)」「安食(あじき)」「下総松崎(しもうさまんざき)」でしょうか。さらに難易度が高い東金線の「求名(ぐみょう)」などは、初見ではまず読めません。一方、都区内の難読駅としてよく挙げられる「馬喰町(ばくろうちょう)」は、都心に近い松戸市民にはおなじみ。もう少しひねりのある駅を探してみました。そこで目についたのが、りんかい線の「東雲」駅。「とううん」ではなく「しののめ」と読みます。辞書を引くと「夜が明けようとして東の空が明るくなる頃。あけがた」のこと。ちなみに「とううん」と読むと「東の空に浮かぶ雲」という意味になり、全く別の言葉になります。地名の江東区東雲に由来しているのでしょうが、海に面したこの街では、東の空に広がる「しののめ」の光景が、昔から人々の心に深く刻まれてきたのかもしれませんね。

美しい駅名「東雲」駅。

 最南端で紹介した京急線「六郷土手」駅の一つ手前にあるのが「雑色」駅。「ざついろ」と読んでしまいそうですが、正解は「ぞうしき」です。読めそうで読めない、歯がゆい難度と言えます。

 知る人ぞ知る難関が、最北端の「見沼代親水公園」手前に位置する「舎人」駅。「しゃじん」と誤読されがちですが、正解は「とねり」です。「日暮里・舎人ライナー」の開通で、松戸市民にとっても耳にする機会が増えた地名ではないでしょうか。考えてみれば、起点の「日暮里(にっぽり)」も、首都圏外の人にとってはかなりの難読名。ちなみに、難読駅のラスボス格には東急大井町線の「九品仏(くほんぶつ)」駅もありますが、今回は時間の都合で行くことができず。パッと読めた方はかなりの鉄道マニアです。 
(パイン)

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