特集記事

今年は辰年 龍を探して

2024年2月23日 第704号

 今年の干支は辰。十二支で唯一、実在しない動物です。でも辰(龍)の姿形はよく知っていますね。実は龍はとても身近な存在。さあ、龍を探しに行きましょう。

絵になった龍 松戸神社(松戸市松戸)

 大きな石の龍の口からこんこんと水が流れ出ます。龍神水と呼ばれる御神水。100パーセント天然水で、いつでもお水取りができるそうです。いつも賑わう境内に、神楽殿があります。普段は閉まっていて中を見ることができませんが、この中に天井絵と杉戸絵が描かれています。ここに龍が描かれている一枚があります。作画から100年以上経過しているにもかかわらず、色彩鮮やかだという天井絵と杉戸絵。平成28年(2016)に松戸市指定文化財(有形文化財)に指定されました。

JR・新京成松戸駅‥‥徒歩8分

松戸神社の龍神水

彫刻の龍 題経寺(葛飾区柴又)

 柴又帝釈天で知られる日蓮宗のお寺。フーテンの寅さんの映画でも知られていますね。帝釈堂には見事な彫刻が施されています。この彫刻は、第十六世観明院日済上人の発願によって大正末期から昭和九年の十数年をかけて作製されました。途中、大正十二年の関東大震災で、彫刻材が焼失。改めて全国で欅材を求め、ようやく完成。法華経の説話を選び出し彫られた彫刻は、色々な意味で貴重なもの。長らく風雨にさらされていましたが、現在はガラス材で守られ、彫刻ギャラリーとして鑑賞されています。

京成線柴又駅‥‥徒歩3分
矢切の渡し‥‥徒歩3分
庭園・彫刻ギャラリー共通 大人400円 子ども(小・中学生)200円

柴又帝釈堂の龍の彫刻

ハイテクな龍 虎ノ門金刀比羅宮(港区虎ノ門)

虎ノ門金比羅宮の手水所

 近代的なビルが立ち並ぶ虎ノ門。ビルとビルの間に、立派な鳥居が立っています。虎ノ門金刀比羅宮は、讃岐の国にあった本宮より御分霊を三田に勧請し、その後この地に遷座したのが始まり。手水舎は、手を近づけるとセンサーが反応して龍の口から水が出る、というハイテク振り。本殿の右側にある結神社は縁結びの神様。まずお守りを受け、お参りしてから良縁祈願紐を台に結び付けるのが作法なのだそう。

東京メトロ銀座線虎ノ門駅‥‥徒歩1分

観光地の龍 浅草寺(台東区浅草)

浅草寺の手水所

 浅草の観音様として親しまれている浅草寺。その歴史は古く、飛鳥時代のこと。隅田川で近くに住む漁師兄弟が漁をしていると、網に像がかかりました。持ち帰って土地の長に見てもらうと、それは聖観世音菩薩の像であると判明。観音様示現の日、一夜にして千株ほどの松が生じ、三日後には天から金の鱗を持つ龍が松林に下ったと、浅草寺に伝わっています。国内外から多くの観光客が訪れる浅草寺。山号を金龍山といいます。

東京メトロ銀座線浅草駅‥‥徒歩5分 
都営浅草線浅草駅‥‥徒歩5分 
つくばエクスプレス浅草駅‥‥徒歩5分 
東武線浅草駅‥‥徒歩5分

東福寺の仁王門

 「守龍山東福寺」といいます。急な階段を上っていくと、「守龍山」と書かれた額のかかった朱塗りの仁王門が出迎えてくれます。仁王門には阿像・吽像の金剛力士像が安置されていて、ともに流山市指定有形文化財に指定されています。門を抜けると、広い境内が広がっています。鐘楼、太子堂、美しい庭、そして中央の立派な本堂には、龍の彫刻が施されています。ここには龍神伝説があるのです。

流鉄流山線鰭ヶ崎駅‥‥徒歩5分

伝説の龍 鰭ヶ崎(流山市鰭ヶ崎)

流鉄流山線鰭ヶ崎駅

東福寺に残る『守龍山東福寺縁起』には、次のように書かれています。「むかし、弘法大師がこの山に立ち寄った時に、池から龍神が現れ、『この地は東方薬師の福田であるから久しくこの山を守護し、仏像を安置してほしい』と言って霊木を捧げた。大師は仏像を彫刻してご本尊とした…」。薬師如来が安置されると龍は昇天しましたが、その時、鰭の先を少し残していったので、この地を鰭ヶ崎(ひれがさき)と呼ぶようになったといいます。

流鉄流山線鰭ヶ崎駅周辺

生きている龍 葛西臨海水族園

image photo

とてもユニークな形をしているタツノオトシゴ(竜の落とし子)。古くから安産のお守りとされてきました。海藻の多い沿岸や内湾に棲みます。体は固く、頭部は馬に似ていますが、ヨウジウオ科の海水魚です。このタツノオトシゴ、オスが育児をするのです。オスには育児嚢があって、メスの生んだ卵を入れて孵化させます。卵は育児嚢の中で親と同じ形になるまで成長するのです。竜の駒とも呼ばれます。
※開園時間/9時30分~17時(入園は16時まで)
※休園日/水曜日(水曜日が国民の祝日や振替休日の場合はその翌日)
※入園料/一般700円
中学生250円(小学生以下無料) 65歳以上350円(詳しくは葛西臨海水族園HPをご確認ください)

JR京葉線葛西臨海公園駅‥‥徒歩5分

image photo

 誰も見たことはないけれど、確かにいた龍。それは…、そう恐竜。恐竜は今から約6500万年前に絶滅した、とされています。最も古い恐竜の化石は、三畳紀後期、2億3000万年前頃の地層から見つかっています。一口に恐竜と言っても、肉食や草食、陸生のもの、空を飛ぶ翼竜、水中の魚竜などいろいろ。そんな恐竜が確かに生きていた証が見られるのが、国立科学博物館。ここには、ティラノサウルスやトリケラトプスといった恐竜の骨格標本が展示されていて、その大きさに圧倒されます。最近、カラフルな羽毛に覆われていたことが判明したティラノサウルス。恐竜は、まだまだわからないことがいっぱいです。
※開館時間/9時から17時(入館は16時30分まで)
※休館日/月曜日、年末年始(12月28日~1月1日)
※入館料/一般630円(高校生以下無料)
(詳しくは国立科学博物館HPでご確認ください)

JR常磐線上野駅‥‥徒歩5分

髙靇(たかお)神社 (松戸市六高台)

 龍神は雨を降らす神様。それが五穀豊穣や天候を司る神様として信仰されるようになり、やがて金運や仕事運にご利益があるとされるようになりました。上へ上へと向かう龍。意外と近くで見守ってくれています。
 髙靇神社もその一つで、村人が水神であり農耕神としても仰がれる出雲大社の龍蛇神を勧請したと言われています。

新京成線元町駅徒歩‥‥13分(ミイ)

五香六実の鎮守 髙靇神社
髙靇神社のレリーフ

◎参考/
虎ノ門金比羅宮HP 浅草寺HP 流山市史 チェック!流山の歴史 流山市立博物館 ブリタニカ国際大百科事典 松戸市観光協会HP

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