特集記事

九十九里浜最北端、旭市へ

2020年9月25日 第622号

千葉県の良さを今だからこそ実感しましょう!今回は、九十九里浜最北端の旭市へ。発端は、「県内で新鮮な生しらす丼を食べたい!」。その欲求を満たすために真夏の休日、房総特急に乗って日帰り旅行に出掛けました!

【千葉駅で名物駅弁を購入】

 鉄道の高速化と人件費の削減で、駅弁は風前の灯火。でも千葉駅では、創業90年以上を誇る万葉軒(マンヨーケン)が営業中!朝ご飯を駅弁にと購入したのは名物「トンかつ弁当」。今時駅弁が550円の安価で買えて、朝なので量も程良く、列車の旅には、やっぱり駅弁がないと寂しいですよね。千葉駅から特急「しおさい」号に乗って目指す「飯岡駅」へは、1時間程の乗車です。

列車の旅には、やっぱり駅弁!

【飯岡駅から九十九里浜へ】

 

飯岡駅は駅舎こそ平成の時代に木造からRC造に改築されましたが、ホームに降りて駅構内を見渡すと昭和の雰囲気が感じられる“まさに記者が大好きなローカル駅”です。
 さて、生しらす丼を食べるには九十九里浜へ行かなければなりませんが、駅からはかなり距離があり、炎天下の徒歩移動は厳しい。事前に旭市観光協会に交通手段の確認をすると駅にレンタサイクルはなく、コミュニティバス(基本運賃200円)の利用を勧められましたが、運行本数が少ないので注意!まずはバスで海沿いのホテル「いいおか潮騒ホテル」へ向かいます。

【「いいおか潮騒ホテル」でレンタサイクル】

「食彩の宿いいおか」でバスを下り徒歩で5分程、「いいおか潮騒ホテル」に到着しました。目の前は九十九里浜!海の香りがします。ホテルに来た理由は、レンタサイクルを利用することと、帰りに温泉に入るためです。レンタサイクルの利用料金は3時間で500円、しかも電動式!「多少時間が過ぎても大丈夫ですよ」と、親切な対応も嬉しく、何より記者、生まれて初めての電動式自転車に乗って、その軽快さに感動しました(笑)。

【有名な侠客がいた飯岡町!】

生しらす丼を食するお店は事前にネットで決めていました。ホテルから自転車で行けば、さほど遠くない九十九里浜北端「飯岡漁港」の近くにある食堂です。いざ出発!の矢先、ホテルの駐車場脇にある立派な石碑が目に留まりました。「座頭市物語の碑」?解説文を読むと、飯岡町は座頭市の舞台になっているのですね!物語で座頭市は飯岡の侠客「飯岡助五郎」の子分という設定のようです。後に調べると、座頭市の実在は怪しいも、飯岡助五郎は実在した有名な侠客で、ライバル笹川繁蔵との抗争は江戸時代に講談『天保水滸伝』としてまとめられて全国に知れ渡り、近代には何度も映画になったそうです。

座頭市物語の碑

【まさに絶景!屏風ヶ浦】

お店は11時開店で、若干早く着いてしまいました。ならばと、いわし・しらす・しらうおと千葉県有数の漁獲量を誇る「飯岡漁港」を通過して屏風ヶ浦を見に行きました。欧州のドーバー海峡にあるホワイト・クリフに似ていることから「東洋のドーバー」と称されている海食崖で、銚子側から見たことはありますが飯岡側から見たのは初めて。歌川広重も魅せられた素晴らしい絶景をぜひご覧ください!
 お店に戻ると、ちょうど開店したばかりで、少し早いお昼ですが早速、生しらす丼にご対面!もうプリップリですよ!正直もっと食べたかったけど、それはまたの機会の楽しみにとっておくことに。生ものは、いかに鮮度が大事なのか実感しました。

【刑部岬から飯岡の町へ】

食前に訪れた屏風ヶ浦の崖上に飯岡灯台が建つ「刑部岬」があります。過去に一度訪れたことがあり展望台からの眺望がそれは見事なのを覚えていて、再訪したのですが、取材日はモヤが出て、眼下に広がる景色は真っ白…。飯岡漁港や飯岡の町並み、弓状に太東埼まで続く九十九里浜の絶景が見れず残念!次に飯岡の町を通過して旭駅方面へ向かいます。歴史ある玉崎神社や、所々に飯岡助五郎の足跡を示す案内板、商店の案内板には刑部岬と飯岡灯台が描かれ、狭いメインストリートは田舎風情が漂います。所々で更地になっているのは、震災時の津波の影響でしょう。通り沿いに「磯がき」と記されたのぼりが目立つ魚屋で、カキを購入。その場でいただき、これが絶品!カキは剥いてみないと中身の大きさが分からず、当たり外れは時の運だとか。記者は幸運にも当たりを引きました!

飯岡の町に鎮座する「玉崎神社」
絶品!生ガキ!

【木曽義昌公史跡公園】

戦国期、信濃の木曽谷を支配していた木曽氏19代当主が義昌です。武田家滅亡後は、徳川家康の配下として関東移封に伴い、1万石の大名として与えられた領地が現在の千葉県旭市網戸でした。山深い先祖代々の土地から海の近い土地での国替えは戸惑いがあったことでしょう。それでも善政で領民に慕われ、先祖と言われる朝日将軍木曽義仲にちなみ現在の市名が付けられたそうですよ。そんな善昌は没後、遺言により水葬されて、その場所は現在、公園になっています。
 またお墓は、近くの東漸寺にあります。お寺からは道の駅「季楽里あさひ」も近いので、ぜひ立ち寄ってください。

道の駅「季楽里あさひ」

【熱々のお風呂に浸かってリフレッシュ!】

レンタサイクル終了の時間に合わせてホテルに戻れました。物凄く汗をかいたので、ホテルの日帰り温泉を利用します。湯は茶色で、これが熱々!過去の取材で、箱根の湯が熱く、3分も浸かれなかった記録がありますが、今回久々に記録を更新したかもしれません(笑)。けど、半身浴でも気持ちいいし、きれいさっぱり、リフレッシュ!贅沢な時間でした。
 さて、駅までの帰り道ですが、試しに徒歩で移動しましたが、暑い日は絶対に止めましょう!皮膚が弱い記者は、駅に着いた時には、顔面や二の腕は、ゆでだこ状態になっていました(泣)。
(パイン)

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