2021年12月3日 第651号
盤の上だけのルールがあって、みんながそれに従って進めていくボードゲーム。たかがゲームと思うことなかれ。ボードの上で繰り広げられる社会にはいろいろな事が待っている。勝っても負けても、「あー楽しかった」のであれば最高!
★何が出るかは運任せ
「加茂川の水、双六の賽、山法師、これぞわが心かなわぬもの」と嘆いたのは、白河法皇。絶大な権力を持った法皇でも、サイコロの目は思い通りにはならなかったようで…。
◎すごろく
世界中を旅したり、いろいろな動物に出会ったり、ちょっと冒険をしてみたり、好きなキャラクターに囲まれたり、今やバラエティー豊かなすごろく。サイコロの目に一喜一憂。運任せは同じ展開にはならないから、あがりにたどり着いたら、「またやろう」ってきっとなる。
◎人生ゲーム
1968年発売のロングセラー。「人生、山あり、谷あり」。就職する、出産祝いをもらうなど収入もあれば、思わぬところで出費も…。祈るようにルーレットを回す子どもでも、現実は容赦ない。まさに人生いろいろ。ゴールのあなたは億万長者?それとも…。
★創造力と感性と
ゲームなのに美的感覚とか物を作るセンスが試されるなんて…。でも大丈夫。作っているうちに、考えているうちに感性がきっと磨かれる!
◎エイリアンエクス プレス
箱の中には粘土が入っていて、「お題」の形を作成。さあ、これはいったい何でしょう?創造力と想像力が試されるゲーム。作るのは苦手だな、という人も大丈夫。鳴き声やジェスチャーで伝えることもできます。遊んでいるうちに、粘土遊びが得意になっちゃうかも。
◎じっくりミレー
名画だってゲームになっちゃう。絵の中の一人に注目。その人は、喜んでいる?悲しんでいる?それともドキドキしている?全部で6種類の感情カードから、自分が感じたものを一枚選びます。人にはそれぞれ異なる感性があることに改めて気付かされる…。
★急いで!慌てないで!
よーいドン!早くしなくては、と焦れば焦るほどうまくいかない…。スピードの中にも冷静さが欠かせません。短時間で、集中、集中!
◎急いでつなげ!消防隊
「火事だ!急いでホースをつなげ!」。でも大変、ホースがからまっています。バラバラになっているタイルを素早くつないで火を消さなくては…。あと少しで、と思っていても最後につながらなくて、また最初からやり直し…。さあ、誰が一番乗りの消防士になれるかな?
◎ナインタイル
9枚のタイルをお題の通りに並べて、早く出来た人の勝ち。簡単?そんなことありません。それぞれのタイルには裏と表に違う絵柄があって、組み合わせをよく考えないとそろわないことも。小さい子どもも遊べるし、デザインがかわいい。けど手ごわい…。
★みんなで一緒に
勝ちとか負け、ではなく、みんなで協力し合って目標に向かっていく。一体感もあるし、会話が増えること間違いなし。でも、時には駆け引きが必要かも。
◎ヒト+イロ
「“桜”と聞いて何色を思い浮かべますか?」「ピンク」「みんなピンクって答えたね、成功!」。「じゃあ“葉っぱ”は?」「緑」「黄緑」「赤」「黄色」。「え~葉っぱと言えば緑でしょ」「秋は紅葉するよ」「イチョウは黄色になるよ」。成功してもしなくても、絶対会話が弾む!
◎パンデミック
タイムリーなゲーム。世界中に広まってしまった疫病。この危機に、各自が医療研究チームの一員となって連携を取りながら立ち向かう。新たに病原菌が発生したり、アウトブレイクが起きたり…。ウィルスを撃退するために、みんなで協力して地球を救おう!
★考えて、考えて
記憶力、洞察力、先の先のまた先を読む力…。あらゆる能力を駆使して真剣勝負!考えまくって勝つと達成感を味わえるけど、負けると悔しくなっちゃうかも。
◎ドメモ
「1」が一枚、「2」二枚、「3」が三枚…、使うのは1から7の数字が書かれた28枚のタイルだけ。自分の持ち駒は相手に見えるように立てます。わかっているのは相手の持ち駒とその他の数字。質問して、推理して…。さて私が持っている数字はなんでしょう?
◎将棋
藤井聡太さんが史上最年少で四冠となり話題に。四十枚の駒を用いる本将棋が一般的ですが、「歩」だけを使って相手の駒をはさんで取るはさみ将棋や、盤上に駒を山積みにして崩さないように一つずつ取ってい
く遊びなどは小さい子どもでも楽しめそう。
★出来上がっていく過程にワクワク
遊びながら何かが出来上がっていくなんて、ちょっと楽しい。どうしようかな?どうなるかな?いつも同じものが出来上がるわけではないのも面白い。
◎街コロ
最初は麦畑とパン屋さんしかない小さな街。ここを開発して大きく育てていきます。そしてついに大都市に成長!少しずつ都会へと育っていく過程にワクワク。カフェや市場、ショッピングモールといった「施設カード」の絵が、どこかユーモラスでかわいい。
◎枯山水
あなたは禅僧です。そして日本庭園を造ろうとしています。砂模様のタイル、いろいろな形の石、これらを組み合わせて、どれだけクオリティの高い庭を造ることができるでしょうか?難しいだけにやりがいも大きい。そして、説明書も分厚い。
小さい子どもと一緒に遊ぶなら。大人数で盛り上がるのは。短時間でさくさく進むのは。じっくりと腰をすえて取り組むのは。一人でも楽しめるのは…。
ボードゲームは、驚くほどたくさんの種類があります。子どものさまざま感覚を養うものや、社会人の研修に活用することもあるというボードゲーム。家族や友達と一緒に遊んでいると、普段気付かない意外な一面を垣間見ることができるかも。
(ミイ)
※ボードだけではなく、カード等を使用するゲームも紹介しました。
※遊び方はそれぞれの説明書でご確認下さい。
◎参考文献/
ボードゲームカタログ202 すごろくや編
momo vol・22
AERA with Kids 2020冬号
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