高塚八幡神社(松戸市高塚新田)
2022年5月27日号 第662号
勇猛で知られる坂東武者、なかでもさまざまな伝説で語り継がれる平将門(たいらのまさかど)は、出身地である千葉県産の馬を強力な武器として運用しました。放し飼いされていた荒馬を乗りこなすことは、武士の証でもあったようです。
平家物語の「宇治川の先陣争い」でも、そんな千葉県内の小金牧産の名馬「生月(いけづき)」の様子が「馬でも人でも見境なく噛みつくような荒馬」として描かれています。一騎打ちの重視された当時の日本では、実戦的で戦闘力の高い馬が好まれたようです。
生月は、戦場で倒れることなく、老いてからは故郷の小金牧に帰されました。地元の人たちは戻ってきた生月を、源氏の守護神と同じ「八幡」と呼び、その死後には丘のように土を盛った塚で葬りました。塚は高さが三十メートルほどもあり、ここから「高塚新田」の地名が生まれたとされます。
高塚八幡神社は、その塚の跡に創建されました。当時は、江戸川を行き来する舟からも見えたことから、目標として利用されていたそうです。
高塚八幡神社の入口は、街道沿いになります。すぐ近くにステーキガスト松戸梨香台店があるので、目印にするといいでしょう。そこから長い参道を緩やかに登っていくと、木々に囲まれた高塚八幡神社の本殿にたどり着きます。(かつ)
※参考図書/「イラストまつど物語」「「馬」が動かした日本史」「楽しい東葛地名事典」
◎所在地/松戸市高塚新田505
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