注目記事

石碑めぐり 245

宝篋印塔(松戸市下矢切)

2023年1月13号 第677号

 宝篋印塔(ほうきょういんとう)は見た目に特徴のある仏塔です。当初は、「宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)」と呼ばれる、四十句の梵字(ぼんじ)による仏説を納めるための塔として建てられていましたが、のちにその特徴のみが受け継がれて、各地で供養塔や墓碑塔などとして造られるようになりました。写真の宝篋印塔は、野間重成の墓碑塔として建てられたもののようです。
 野間金三郎重成は、徳川家臣として、「関ケ原の合戦」や「大坂の陣」などに参戦しました。それらの功によって、上矢切村と下矢切村で合わせて三百石を与えられました。すでに武蔵国六万部村(現在の埼玉県久喜市)に二百石の所領があったので、計五百石の旗本となりました。子孫は代々「野間様」と呼ばれ、下矢切で暮らしたそうですが、明治維新の際に帰農したと言われます。
 宝篋印塔は、このように高名な墓所でよく見られます。戦国時代に松戸を治めていた高城氏代々の墓所(広徳寺)にも同様の宝篋印塔が建てられています。
宝篋印塔は、方形の塔身と、その上の階段状の蓋、そこから高く伸びる相輪に特徴があります。先端は宝珠です。 (かつ)
※参考図書/「わがまちブック 松戸3」「松戸風土記」「松戸史談」「東葛の中世城郭」
◎所在地/松戸市下矢切1146

関連記事

  1. 石碑めぐり 202
  2. 石碑めぐり 226
  3. Cafe×Dinning With a Will
  4. 石碑めぐり 193
  5. 神社・仏閣めぐり 3
  6. UKIUKIウォッチング
  7. UKIUKIウォッチング
  8. ENJOYサークル

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

  1. 2025年8月1日(739号)
  2. UKIUKIウォッチング
  3. 庭園へ行こう!~清澄庭園~
  4. 石碑めぐり 269
  5. 開通100周年!東急世田谷線に乗ろう!【松戸市内から、三軒茶屋駅へ向かうには?】開通100周年!東急世田谷線に乗ろう!

おすすめ記事

2025年8月1日(739号)

2025年8月1日(739号)【今号掲載の記事】■1面特集:庭園へ行こ…

最新号

  1. 2025年8月1日(739号)
PAGE TOP