特集記事

東京区内、御朱印巡り3

2023年5月26日 第686号

3月に掲載した3年振りの東京区内御朱印巡り。実は、予想以上に移動時間が掛かり、予定していた寺社仏閣すべてを訪れることができなかったのです。この度、記者のわがままから“パート3”を企画!東京区内の気になる寺社仏閣の御朱印集めに再び出掛けてきました!

 今回はJR線の「都区内パス(760円)」を選択。もう詳しい説明は必要ないですよね(笑)。金町駅の券売機で購入し、北千住駅で常磐線快速に乗り換えて日暮里駅経由で鶯谷駅へ向かいました。

【寛永寺(台東区)】

 「次の一面の企画をどうする?」と記者はよく頭を悩ませるのですが、比べ物にならないほど人生で悩んだのが江戸幕府の創始者、徳川家康。以後、約260年間の統治で、将軍の座に就いたのは15名。上野の山に位置する徳川家の菩提寺の1つ「寛永寺」には6名の将軍が眠っています。寛永2年(1625年)、家康、秀忠、家光の3代に仕えた天海大僧正により創建され、天台宗の総本山にちなみ東国の比叡山で東叡山と名付けられました。上野公園の広大な敷地は、寛永寺の境内だったと知っていましたか?それだけ権力を持つ大寺院だったのです。今回は、本堂「根本中堂」を訪れました。当初(1689年創建)は上野公園大噴水の付近に建っていましたが、幕末の上野戦争(1868年)で焼失し、明治時代、現在の地に再建。鶯谷駅南口からすぐ、東京国立博物館の裏通り付近は上野周辺とは思えないほどの静けさにビックリ!寛永寺第三霊園の門を通過すると「根本中堂」に到着します。堂内で御朱印をいただいた後、「将軍のお墓参りはできるの?」と思いましたが、事前に調べていなかったので重要文化財である5代将軍綱吉の「霊廟門(れいびょうもん)」を見学し鶯谷駅へ戻りました。

寛永寺本堂「根本中堂」

【増上寺(港区)】

 鶯谷駅南口から山手線の先頭車両に飛び乗ったので、浜松町駅で降りると久々に小便小僧とご対面。でも、目的地の増上寺へ向かうには正反対の北口を出なければいけません……。駅北口を出たら左手、東京タワーが見える方向へ進みます。国道15号線を渡って大門を通過すると日比谷通り越しに東京都内有数の古い建築物で、東日本最大級を誇る「三解脱門」が見えてきます。門を潜ると、巨大なビルが建ち並ぶ都心部とは思えないほど境内は広く、大殿や安国殿と東京タワーの新旧建築物のコラボ風景が実に良いんですよね!
 そんな増上寺ですが、寛永寺より先に徳川将軍家の菩提寺となり、6名の将軍と家族が眠る墓は有料で見学できます。

増上寺「大殿」「安国殿」と東京タワー

【泉岳寺(港区)】

 浜松町駅まで戻るのが面倒で、都営浅草線の大門駅から泉岳寺駅へ。ここで記者は無駄遣いをします。”泉岳寺の最寄りは泉岳寺駅だろう”と決めつけてしまったのです。都区内パスをフル活用するならば浜松町駅から高輪ゲートウェイ駅で下車すれば泉岳寺は意外に近いんですよね。スマホで簡単に調べられる時代なのに歳を取るとせっかちになり損するばかり……。
 でも、泉岳寺駅から境内はやっぱり近い!さて、泉岳寺と言えば忠臣蔵ですよね!亡き主君浅野内匠頭の無念を晴らすために仇討ちを決行した47名の赤穂義士。宿敵吉良上野介の首を主君が眠る墓前に供えた寺として有名です。御朱印をいただく際、写経を初めて体験しました。薄く印刷された文字を筆ペンでなぞるのですが老眼になり、せっかちな記者の文字はご乱心(泣)。水面下で時間を掛けて仇討ちの作戦を練った浪士たちの苦労を見習わなければいけません。そしていよいよ義士たちが眠る墓所へ。線香を購入して、お参りをします。線香の煙が絶えない様子に福島県の飯盛山を思い出しました。
 次は高輪ゲートウェイ駅から山手線で原宿駅へ向かいます。

泉岳寺「赤穂義士墓所」

【乃木神社(港区)】

 明治神宮駅(原宿駅)で東京メトロ千代田線に乗り換えて大手町方面へ2駅先、乃木坂駅で下車します。駅出入口の隣が境内の出入口とアクセス良好!書置き対応ですが木製の御朱印を初めて目にしました。そして境内の隣、以前訪れた時は年末年始で見学できなかった旧乃木邸へ向かいます。
 乃木神社の主祭神は、乃木希典。年配の読者ならば映画「二百三高地」でご存じですよね?昭和天皇の教育係まで務めた陸軍大将で、明治天皇の大喪の礼の後、殉死します。最後の場所でもある自宅は外から見学が可能です。

乃木坂駅出入口の隣が乃木神社境内の出入口
乃木神社に隣接する「旧乃木邸」

【東郷神社(渋谷区)】

 明治神宮駅に戻り表参道に出ると辺りは人だらけ!明治通りを代々木方面に進み、東郷神社へ向かいます。主祭神東郷平八郎と言えば日露戦争の日本海海戦で、ロシア軍バルチック艦隊を撃破した海軍の英雄として乃木大将と並び有名です。
 記者は東郷元帥の名を耳にすると、2014年の一面取材で埼玉県飯能市の「秩父御嶽神社(東郷公園/東郷元帥公認の銅像が建っています)」を訪れた際、急な石段を登ってどうにか社殿に到達した怖い体験を思い出すんですよね(笑)。

東郷神社

【代々木八幡宮(渋谷区)】

 当初、「東郷神社の次は明治神宮かな?」と予定を立てましたが、訪れたい神社を発見!代々木公園沿道から代々木公園駅を通過し、小田急線の踏切を渡って高台へ、「代々木八幡宮」に到着しました。第一の目的は拝殿右奥にある「出世稲荷大明神」です!テレビでも紹介された相当な「パワースポット」で、ガッチリ参拝してきました!

代々木八幡宮の「出世稲荷大明神」

【明治神宮(渋谷区)】

 広大な境内に行くにはどこからでも入れそうと思いきや出入口は3ヶ所のみ。隣接する代々木公園から行き来できないんです。記者は代々木八幡宮から参宮橋駅へ向かい西参道から境内にアクセスしました。さて拝殿を目指しますが、いや~広い!都心の中心部とは思えない緑多き境内は大正時代に人口で造られたんですよ!参拝後は南参道から原宿駅へ。
 取材後に気づきましたが、北参道から代々木駅に向かった方が原宿の人混みを避けられたかも?

明治神宮

【高岩寺(豊島区)】

 若者の街原宿を訪れたので、高齢者の街巣鴨も訪問します。巣鴨駅を出て国道17号線(中山道)を渡り、巣鴨地蔵通商店街へ。さほど時間も掛からずに高岩寺に到着。「とげぬき地蔵」の名称の方が有名ですよね!
 さて御朱印はどこでいただけるのか本堂で訪ねると「ここです!」と教えてくれて慌てて御朱印帳を手渡します。寺ではなぜか終始緊張してしまう記者(笑)。無事に御朱印をいただき巣鴨駅に戻る際、昼を食べ損ねていたので15時前でしたが商店街にある蕎麦屋に飛び込み、おおもりをかきこみました。  (パイン)

「とげぬき地蔵」の名で有名な「高岩寺」

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