松戸新田開発の鎮守様「大谷口新田稲荷神社」(松戸市新松戸)
2023年6月23日号 第688号
JR「新松戸駅」からけやき通りを歩きます。大学や大型店で賑わう商店街をはじめ、マンションが左右に林立しています。しかし坂川を超えて数分歩いて左手に入ると静かな緑地地帯が現れます。新松戸の一部は昔、大谷口新田と呼ばれており、文字通り新田開発に関わったのが「大谷口新田稲荷神社」です。寛永年間(1624~1645)に創建されご祭神は「倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)」で穀物の神様です。新興住宅街として多くの住民を受け入れ開発の支えとなった鎮守様です。昭和18年に松戸市が誕生、当時の人口は約4万人、今年市政80年で、約50万人の大都市に、この繁栄をもたらした原点は江戸時代初期に始まった新田開発にあります。
農民が定着した土地に高度経済成長期に多くの人が生活の拠点として移住してきました。松戸市発展の歴史の原点でもあります。境内には数多くの石碑がありますが、ひときわ立派な「遷宮記念碑」の銘文に「大谷口新田」が成立した経緯が記されています。今から4百年近く前に食糧確保と農民の生活を賭けた難工事に取り組みその後、江戸川、坂川の氾濫との長く厳しい闘いが続きました。「大谷口新田稲荷神社」はその心の拠り所でした。境内にある「坂川道路完成碑」も新田開発に伴う事業の記念碑です。地域の人たちは初詣、祭礼などを通して神社を大切にされています。神社を参拝、松戸開発の歴史に触れられてはいかがでしょうか。 (お富さん)
◎所在地/松戸市新松戸7・77
◎所在地/松戸市新松戸7・77
この記事へのコメントはありません。