特集記事

東京の急坂を歩く

2024年4月19日 第708号

 坂の街と言えば、函館、長崎、尾道などが有名ですが、大都会、東京内山の手にもかなりの数の急坂があります。登山になかなか行けないので、今回は、松戸から近い都内10カ所の急坂を歩いて運動不足の解消を図ります!

 記者は、東京メトロ千代田線北千住駅の券売機で、東京メトロと都営地下鉄の全路線を1日何度でも乗り降りできる「東京メトロ・都営地下鉄一日乗車券(大人900円・小児450円)」を購入。沿線スポットで、割引やプレゼントなどの特典が受けられるお得な乗車券です。JRの都区内パスと迷ったのですが……、どちらを選ぶかは、お任せします!

まさに上から下をのぞき込む「のぞき坂」!

千代田線で新御茶ノ水駅で下車し、接続する淡路町駅から丸ノ内線に乗って池袋駅へ。次に副都心線で、「雑司が谷」駅で下車します。3出入口から都道の横断歩道を渡れば「のぞき坂」はもう目の前。一発目からインパクトあり!二車線の道ですが、何と言っても驚くのはその落差!まさに谷底をのぞくって感じです。いざ下ると、自然と加速するので踏ん張らなければいけないし、登りは常に前かがみ状態……。道路標識を見ると、勾配は22%(角度約12度)。この数値、かなり急な坂道ってことらしいのですが、実際に体験してもらった方が、キツさが分かります!ちなみにアニメ作品の聖地なのですが、知っていましたか?

富士山は見えないけれど「富士見坂」

 雑司が谷駅前に戻り、都道8号線を東へ。目白台二丁目Y字路の右手にあるのが「富士見坂」。狭い道で一方通行ですがトラックも通るので、ご注意ください。現在は新宿の高層ビル群により富士山は見えませんが、それでもなかなかの眺望!枝分かれする階段道も良い感じ。実はここもアニメ作品の聖地らしいです。

車が通れない「鉄砲坂」

 都道8号に戻りさらに東へ。目白台三丁目の交差点から狭い脇道を進んでいくと、やがて「この先車通り抜けできません」の道路標識が。そこが「鉄砲坂」で、前方に首都高速5号線が見えると道は一気に下り坂に!さほどの距離ではないですが、そこそこキツイ!それにしても物騒な名称の由来は、江戸時代、鉄砲の射撃訓練場として崖が利用されていたからとのこと。

 鉄砲坂を下り、左手に行けば有楽町線の護国寺駅が近かったのですが、記者は運動不足を解消するために右手へ。首都高速5号線に沿って同じく有楽町線の江戸川橋駅を目指しました。その後、有楽町線に乗って永田町駅で下車し、接続する赤坂見附駅で丸ノ内線に乗り、四谷三丁目で下車。「闇坂(くらやみさか)」へ向かいます。その途中、須賀神社に立ち寄りましたが、「都内だから人が多いんだろうな」と思ったら、記者も見た大ヒットアニメ映画の聖地なんですね。そこから近くにある「闇坂」は、「鉄砲坂」同様に車が通れない急坂です。今回初の説明書きを発見。名称の由来は、坂の左右にあった寺の樹木が茂り、薄暗かったからとのこと。でも今は住宅街のど真ん中で、そこそこ明るい……。それにしても急坂沿いにもかかわらず建物がビッシリ建っている様子は、やはり大都会だなと実感します。

須賀神社の男坂
闇坂も狭い急坂!

 闇坂から徒歩で10分も掛からず行けるのが、JR信濃町駅近くにある「新助坂」。新助さんの家が坂の近くにあったことが名称の由来のようですが、乃木将軍の乃木坂的な感じでしょうか?JR線に突っ込むような滑り台的な坂道で、昔はスベリ坂とも呼ばれていたとも。短距離ですが、なかなかの急坂です。

「新助坂」はまるで滑り台!

 信濃町から明治神宮外苑を抜けて青山一丁目へ。脇道に入り、カンボジア王国大使館を通過し、道なりに歩くとコンビニがあります。そこにある急坂が「稲荷坂」。実は記者、坂の様子より、登り切った先に建つ「赤坂リキマンション」に夢中でした(笑)。ご存じ、あのプロレスラーが建てたマンションです。

「稲荷坂」先には、名プロレスラーが建てたマンションが!

 赤坂リキマンションの先、クランクを通過すると信号に出るので右へ。そのまま真っすぐ歩くと左手にTBSの本社ビルがあり、その先にあるのが「三分坂(さんぷんさか)」。坂がきついので、荷車を押してもらう労働者の支払賃を他の坂より銀3分(さんぷん)多く支払ったことが名称の由来。放送局の近くとあって、車の通りが激しかったので、見学にはご注意ください。

「さんぶ」ではなく「さんぷん(三分)坂」!
江戸の大半が見えた「江戸見坂」だけに急勾配!
大変だけど、出世階段を登ろう!

「三分坂」から溜池交差点へ向かう前に「赤坂氷川神社」へ立ち寄りました。まさに都会のオアシス。海外からの観光客も多く見られました。次に向かうは虎ノ門にある「江戸見坂」。目的地は国会議事堂の周辺だからなのか、近づくにつれて警官の人数がどんどん増えて、道が封鎖されていたりで、遠回りをしましたが、どうにか到着。「江戸見坂」は有名ホテルの横にある急坂で、勾配がキツイ!江戸中心部の大半が望めたことが名称の由来ですが、今ではビルによって視界を遮られ、その面影は一切感じられません。急坂を下ったあとは、東京23区の最高峰に建つ愛宕山神社に立ち寄りました。急な男坂は「出世階段」と呼ばれ、登ってみるとキビシイのひとこと!参拝後は、都営三田線「御成門」駅から目黒へ向かいます。

通勤・通学するだけで足腰が鍛えられそう!

 目黒駅正面口を出て、すぐにあるのが「行人坂」。JR線やほか3社線の接続駅近くだけに今回最も人通りが多かった急坂です。「通勤・通学で足腰が相当鍛えられそうだ!」と感じるほどの長い坂道で、手すりも完備。その坂の途中にあるのが大圓寺で、御朱印をいただきました。さて次は、山手線で隣の五反田駅へ移動します(実は、歩こうと思いましたが、既に足がつらくて……)。

「都内で一番」をぜひ体験!

五反田駅を出て、都道317号線を品川方面へ。信号を6つほど過ぎたあたりで左脇道に入り、右へ曲がると急坂定番のコンクリート舗装にドーナツ型の溝が!都内最強の急坂と言われる「まぼろし坂」に到着します。2段階の急坂で、前半はそこそこの傾斜ですが、後半は車の通れないだんだんの急坂!跨線橋のように階段まであります!よ~く見るとポールに「都内で一番の急坂」と表記されていました(笑)。
 どうにか予定していた10カ所の急坂をクリア!記者はこのあと、都営浅草線「高輪」駅から、地下鉄を乗り継いで松戸へ帰宅しました。もちろん翌日は、筋肉痛です……。
(パイン)

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