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石碑めぐり 257

めがね之碑(東京都台東区)

2024年7月5号 第713号

 上野公園のほぼ全域は、もともと徳川将軍家の菩提寺である寛永寺の境内。寺は家康、秀忠、家光3代に仕えた僧侶、南光坊天海が江戸時代初期に建立しました。公園内不忍池の弁天島にある弁天堂の歴史も古く、寛永寺の創建後、すぐに建てられたと伝えられています。ですが建物は東京大空襲で焼失し、現在の八角堂は、戦後に建てられた鉄筋コンクリート製。今回、紹介する石碑は、そんな弁天島にある『めがね之碑』です。石碑にかたどられているメガネは「ジョン・レノンの丸メガネ?」と思いきや、徳川家康が愛用していたもの。家康のメガネは手で持つタイプで、なんと静岡県の久能山東照宮に現物が残っているのだとか!では「メガネを初めて日本に持ち込んだのは誰なのか?」と調べると、宣教師フランシスコ・ザビエルで、戦国大名大内義隆に献上したそうです。また、室町幕府12代将軍足利義晴所有のメガネが、京都の大徳寺内の大仙院に保管されています。家康は日本人初のメガネユーザーではなさそうですが、天下人も老眼には敵わなかったのですね……。石碑は東京の眼鏡業界の組合により1968年に建てられました。さて、この周囲には、面白い石碑がたくさんあって「スッポン感謝之塔」「琵琶の碑」「包丁塚」「ふぐ供養碑」など、実にインパクトあるものばかり(笑)。参拝と合わせて、ご見学ください! (パイン)

 

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