特集記事

タヌキだらけの城下町館林へ!

2024年7月19日 第714号

 なかなか行けなかった徳川四天王「榊原康政」ゆかりの城下町、群馬県館林。「康政ほどとは言わないけど、少しは強くなりたい!」との思いから、名将のお墓参りをかねて、歴史と自然あふれる街を散策!でも夏は、メチャメチャ暑い土地として有名な館林で、記者の体は持つのでしょうか?

 両毛方面へのアクセスは、北千住駅から東武線特急の利用が大変便利!UKIUKIの取材で何度も利用していますが、世の中は物価高。悩んだ末に往路は、特別料金がかからない区間急行で行くことに(復路は特急を利用しました!)。日曜早朝の下り方面なので、ロングシートの車両でも乗車駅から座れました。北千住駅を出ると西新井駅↓草加駅と停車し、あっという間に埼玉県へ。草加駅、せんげん台駅での特急通過待ちの停車時間くらいは我慢しましょう。東武動物公園駅以降、車窓はローカル感が漂う田園風景に。羽生駅を出て、利根川を渡るといよいよ群馬県です。1時間20分程の乗車で、最初の目的地の最寄り駅「茂林寺前」に到着しました。

 茂林寺前駅は、名の通り「茂林寺」の最寄り駅。茂林寺は「分福茶釜」ゆかりの寺です。数年前の一面で、木更津を取り上げた際に「証城寺の狸囃子」で有名な「證誠寺」を訪れたことを覚えていますか?タヌキつながりで、いつか茂林寺にも行きたいと思っていました。茂林寺がどれほど観光地化しているか謎ですが、駅前は誰ひとりいません……。コンビニすらありませんが、タヌキの置物はしっかりあります!スマホの地図アプリで茂林寺への経路を調べると、駅前の通りから一回左折するだけ。そして駅から寺までの道中に分福茶釜の物語を紹介する立て看板が点在しているので、余裕があれば物語をご確認ください。ところでみなさん「分福茶釜」の物語を知っていますか?実は記者が知る物語は、立て看板の話と違うんですよね……。

「茂林寺前」駅出入口にはタヌキの置物が!
総門を潜ると、参道脇には、たくさんのタヌキが!

 茂林寺の参道口に着きましたが、お店は閉まっていて、人がいません……。まあ、記者は人混みが苦手なので、それはそれでラッキーです。その後、総門を潜ると、参道脇には、たくさんのタヌキが!!山門を抜けた先は、結構荒れている?いやいや、自然豊か!分福茶釜が安置されている本堂も歴史を感じます。御朱印をいただき帰ろうとしたのですが、茂林寺の北側には、沼と湿原が広がり、館林市内の沼は文化庁の「日本自然遺産」に認定されているとのこと。沼を見た後、湿原の遊歩道を歩いたのですが、靴がすぐにぬれて、今回の装備では虫刺されなどの危険性を感じ、引き返しました(笑)。参道に戻ると、1件お店が開店していて、大勢の外国人観光客もやってきました。朝早く訪れて本当に良かったです。

文化庁の「日本自然遺産」に認定されている「茂林寺沼」
新旧の駅舎をぜひ見比べてください!

 茂林寺前駅で時刻表を確認すると館林方面は、休日1時間に3本ほどの運行です。館林駅は1つ隣なので、電車に乗ってしまえば、あっという間。駅は1907年(明治40年)開業し、「しゃれた模様の窓がある洋館風の駅舎で小規模ながら歴史を感じさせる駅」として「関東の駅百選」に選ばれています。ロータリーで新旧の駅舎をぜひ見比べてください!

 館林と聞くと何を連想しますか?やはり夏の猛暑の話題で天気予報に取り上げられるイメージが強いですよね。記者が訪れた日は、梅雨の真っ最中で曇り空にもかかわらず、少し歩いただけで汗だくになりました。そんな館林ですが、実は古くから栄える城下町。館林藩の基礎を固めたのは、1590年に館林10万石の藩主になった徳川四天王のひとり、榊原康政!家康の玄孫、5代将軍綱吉も将軍職に就く前は、館林藩主でした。駅周辺は、再開発で道路や歩道が整備されているものの、古い建物も所々に残ります。まずは駅前通りを東へ直進。館林市役所を通過して、「公園通り線」沿いの「向井千秋記念子ども科学館」「田山花袋記念文学館」を横目に「尾曳橋」まで進みます。この辺りの地名は「城町」。城下町の名残ですね。

尾曳橋上から「城沼」の眺め

 尾曳橋上から細長くて大きな「城沼」を眺めます。沼南部は「つつじが岡公園」として整備されています。今回は、沼沿いの遊歩道「朝陽の小径」を反時計回りに1周(5㎞)します。橋を渡って園内へ。沼のほとりを歩いて行くと、所々でハスの花が咲いていました。やがて公園の名所で、国指定名勝でもある「躑躅ヶ岡」へ到着。もちろん梅雨の時期なのでツツジの花は咲いていませんが、来年の開花時にぜひ美しい様子を見たいですね!

国指定名勝「躑躅ヶ岡」
善導寺の「榊原康政墓所」

 進むにつれて人の気配はまばらになり、ショッピングモール側の地点が沼の最東端。その近隣「善導寺」にある榊原康政の墓所にお参りするのが、今回の旅の目的の1つ。徳川四天王にふさわしい立派な墓所で、息子たちや側近、側室とともに眠っています。その後、再び朝陽の小径に戻り、西に向かって歩き続けます。沼の北部は、南部と違ってトイレが少なく、自動販売機が見当たらなかったので、要注意です。

館林城本丸跡

 尾曳橋から駅方面へ戻る最中、「館林城の本丸はどこなんだろう?」と地図アプリで探すと、「田山花袋記念文学館」の隣にある「八幡宮」が本丸跡で、土塁も残っています。実はそのとき、歴史遺構に思いを馳せるよりも驚いたことがあって……。お参りをしている際、どうにも聞きなれない野鳥の鳴き声が耳をつくんですよ。地面には、白い羽がやたら落ちています。頭上をよ~く見てみると、木々に止まっているのは、サギ!それも結構な数!松戸市では、田んぼで数羽見かけるくらいでも珍しいと思うので、衝撃的でした!

 「日本三大うどん」と言えば「讃岐」「稲庭」そして「水沢」?「水沢うどん」は群馬県ですよね。さらに群馬県には「群馬三大うどん」なるものがあるらしく「水沢」「ひもかわ」そして「館林」です!古くよりうどんが名産な理由は、豊富な地下水に恵まれて、良質な小麦の栽培が盛んなため。将軍家や皇室にも献上されたとのこと!ならば「食べたい!」と思いますよね?市役所の近くで見つけたうどん店に飛び込むと、30分以上の待ち。ならばと駅前の名店に行くと、食事処は休み。「もう、どこでもいいからうどんを食べさせて!」と、のぼりが立つ店に入ったら、「今日は早めに店を閉めてしまい……」と、いつも以上にツイていない記者。おそらく途方に暮れる記者の姿を見かねたのでしょう、「うどんだけならば、作りましょうか?」と優しい店員さん(涙)。お言葉に甘えて、もりうどん(大)と、調子に乗ってビールも注文……。本当にありがとうございました!     (パイン)

群馬三大うどん「館林うどん」

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