2024年10月4日 第719号
みなさん、踏切待ちにイライラしますか?幼い頃から鉄道好きの記者は、長い踏切待ちは大好きでした。が……、歳を重ねて50歳を過ぎた今は短気になり、イライラ派かも(笑)。今回は、記者の勝手なチョイスで、都内東部の気になる踏切を取り上げます!
モータリゼーションで渋滞緩和対策や事故を防ぐため、立体化交差化といった工事により、昭和30年代~40年代にかけて都心部では、踏切がどんどんなくなった気がします。しかし趣きある踏切は、まだ都内にあるんですよ。ちなみに「松戸市内に踏切はあります?」の問いに、答えは「あり」ですが、JR線はどうでしょう?これは「なし」。でも都心ではJR線も踏切はあります。ネットで「踏切」と検索すると、開かずの踏切ランキングなんて出てきますが、今回は、記者が単純に気になる踏切を案内します。
【北千住一丁目踏切】
すぐ頭に浮かぶのは北千住駅の南側にある大踏切。千代田線北千住駅の5番出入り口から徒歩で、わずか1分。正式名称は、「北千住一丁目踏切」ですが、踏切を渡る通りの名称は「大踏切通り」。駅ロータリーにある道路標識にも「大踏切」と記されています。JR常磐線と東武スカイツリーラインを渡るダブル踏切は、記者だけでなく誰が見てもインパクトがあるという証明です。ごぞんじ北千住駅はターミナル駅なので、両線の交通量は非常に多く、朝夕は絶対に開かずの踏切ですね。記者は日曜早朝に訪れましたが、長い踏切待ちの後、渡っている最中に警報機が鳴るって、松戸市では体験できません。東武線側には踏切小屋?警備員がいたような?このかなり忙しい大踏切を廃止する動きはあるようですが、高架化、地下化の立体交差化の事業費は1000億~3000億!実現は、当分先の様です。
【金杉踏切】
松戸市民にはお馴染み常磐線快速で都心へ通勤、通学している方も、この踏切の存在を知らないのでは?三河島駅を出て左に大きくカーブし、京成線の高架を抜ける寸前に踏切があります。これぞ都心に残るJR線の隠れたシブイ踏切です!
【日暮里道踏切】
三河島駅で常磐線から分かれる貨物線の踏切です。明治29年に常磐線が開通した時の起点は、日暮里ではなく田端。なので実はこちらが元本線。貨物線には踏切が多く存在しますが、現本線よりも圧倒的に本数が少ないから残っているんでしょうね。踏切から三河島駅方面を見ると、線路は現本線に向かって合流する様子が分かります。そして、その地点で起きた「国鉄戦後五大事故」の1つ、「三河島事故」を知っていますか?昭和37年、田端操車場を発車した下り貨物列車が、三河島駅構内の赤信号を見落とし脱線。そこに下り電車が衝突、さらに南千住方面からきた上り電車が衝突し160人の命が奪われた大惨事です。原因となった貨物列車はこの踏切を通過していきました。事故がキッカケで、国鉄全線にATS(自動列車停止装置)をつけたんですよ。
【新宿新道踏切】
幅広く交通量の多い国道6号線に単線とはいえ踏切がある様子は、いつ見ても不思議です。この路線は、金町と新小岩を結ぶ新金貨物線で、歴史は古く、大正時代に開通。貨物輸送で長年活躍しましたが、今は1日どのくらいの本数が走っているのでしょう?ちなみに記者は、幼い頃から何度もこの踏切を通りましたが、遮断機が下りるのを見たことは1度もなし……。最近では、旅客化するため踏切を廃止して、高架化する計画が話題になりました。余談ですが近くの金町駅付近では、京成金町線も同じ国道6号線を踏切で横断します。でもこちらは高架道路を作り踏切を残しました。
【上野検車区踏切】
何度も取り上げたかもしれません。地下鉄東京メトロ線内で唯一の踏切が上野にあります。JR上野駅入谷口を出て、徒歩で5分ほど。昭和通りを渡れば東京メトロ上野検車区、銀座線の車両基地に到着します。銀座線は、第三軌条方式。線路の他にもう一本鉄路が敷かれていて、そこから電気をもらって走ります。利点は、架線タイプより建設費が安く、狭いトンネルで電車を走らせられること。しかし線路内は感電の恐れありでメチャクチャ危険!この踏切は、そんな危険な線路に立ち入らないための柵があることも特徴です。動画配信サイトで、詳しく説明されている方がいるので、ぜひご覧ください
【浜離宮前踏切跡】
ひと昔、新橋駅付近には汐留駅という広大な貨物駅がありました。実はその駅、明治時代に鉄道が開通した際の元祖新橋駅。大正3年に東京駅が完成すると、新橋駅は汐留駅へ、貨物専用の駅になりました。長い間、鉄道貨物の中心駅として活躍しましたが昭和61年に廃止。現在敷地跡は、区画整理されて巨大なビルが立ち並んでいます。そんな汐留駅から築地市場へ線路が伸びていて、途中に踏切があったそうです。それがこの場所で、銀座唯一の踏切として警報機が保存されています。
【品川第一踏切】
京急線に乗って何度も通過しましたが、1度も訪れたことがない有名な踏切です。品川駅を出発し新幹線を含めたJR線をトラス橋で一気に渡ったすぐ先に踏切って……、なんだか凄い!また、とにかく踏切が開かず、開いてもすぐに閉まる忙しさは、今回ナンバー1!そしてこの路線は、他社線の乗り入れが多いので、色々な車両が見れることも楽しいですね。しかし現在、高架化工事が始まっていて、数年後には、なくなってしまうそうです。
【第二中里踏切】
山手線唯一の踏切です。ただし並行して走る山手貨物線を含むとここだけではありませんが……。取り壊す予定だった様な?と思ったら、どうやら計画が伸びたようす。古いSL仕様の踏切標識が残っていて嬉しい!反対側は電車仕様でしたが、新旧揃っているのは貴重ですね。
その他、おススメの京成高砂駅前や、東十条付近にも行ったことがない大踏切があったような?ここがオススメと言う場所があったら、ぜひ教えてください!
【踏切警報機の音に注目!】
踏切の音って、文字に表すとカンカンですか?今、圧倒的に多いのが電子式で、スピーカーから電子音を流すタイプです。ですが、アナログ音を奏でる踏切があるって知っていますか?それは、キンキンと金属音を奏でる電鈴式、打鐘式踏切で、本当に鐘を叩いて音を出しているんですよ。記者も岳南電車を取材したとき聞いたことがありますが、何ともノスタルジック!千葉県の小湊鐵道にあるらしいとか?いつか訪れたいと思います。
(パイン)
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