2024年11月8日 第721号
松戸市在住ならJR武蔵野線を利用して幕張新都心や浦安方面へ通勤通学をする方も多いでしょう。「本日、強風により京葉線への直通運転は取りやめています」という車内アナウンスになげく日もあるのでは?今回は、松戸駅から「小回り乗車」を利用して、東京都、千葉県の東京湾沿いを走るJR京葉線の旅を紹介します。
【小回り乗車とは?】
記者が1都6県「大回り乗車」の旅を実行したのは、2019年。「中回り乗車」は、2024年。今回は、さらに気軽な「小回り乗車」です。JR線には「大都市近郊区間」という区間があり、首都圏では「東京近郊区間」。鉄道網が複雑なエリア内では、出発駅から到着駅まで、どのような経路を通ってもよい特例があります。松戸駅から新宿駅までJR線で行く場合、日暮里駅で山手線の内回り、外回りの経路を選択できますよね。それをフル活用したのが「大回り乗車」。「小回り乗車」はそのミニ版!今回は、松戸駅から隣の北松戸駅へ2分ほどで移動できる距離を、京葉線を経由し遠回りします。しかし守るべき注意事項があり、同じ経路・駅を通過することは不可。一筆書きで進まなければいけません。また、乗車は当日のみ(終電まで)。さらに途中下車や、定期券は利用不可。大回り乗車のルールに関しては、ネットにて詳しいサイトがあるので、出掛ける前に必ずチェックしましょう!
【JR京葉線とは?】
JR京葉線は、東京駅から東京湾沿岸を経由して千葉県の蘇我駅までを結ぶ路線。そして二俣新町駅付近から分岐して西船橋駅に通じる2本の支線によりJR武蔵野線が乗り入れています。旅客開業は1986年、西船橋駅から千葉港駅(現千葉みなと駅)。その後1988年、西船橋駅から新木場駅までが開通し、舞浜駅の開業で、あのテーマパークに行きやすくなったのもこの時です。そして1990年、全線が開通しました。近年、通勤快速廃止を巡っての大騒動は、記憶に新しいですよね。
【東京駅】
東京駅地上ホームから京葉線地下ホームへの乗り換えは、移動の距離が長くて面倒……。有名な話ですよね(笑)。駅の乗り換え通路に「歩く歩道」って、あまりないような?京葉線のホームから山手線や京浜東北線に乗り換えるには、4番口で東京国際フォーラムを経て有楽町駅へ行く方がラクだと記者も体験しました。駅構内が立派なのは、幻に終わった成田新幹線用の駅を利用したため。幻の新幹線は、この地下駅を出発し、潮見駅先で地上に出て、東京メトロ東西線と並行し、船橋法典付近に残る武蔵野線の高架を潜り、北総線ルートを経て成田空港に向かうハズでしたが計画は頓挫。新宿方面への延長計画は、どうなりますかね?今回は、京葉線ホームへ向かう前に東京駅構内の「駅弁屋祭」に寄りました。東京駅は新幹線の起点なだけに人が多く、朝8時の早朝にもかかわらず店内は大混雑!何がどこにあるかなんて探す余裕はなく、年々、駅弁屋が店を畳んでいるなんて信じられません。えっ、記者が何を買ったかって?それは後のお楽しみ!
【越中島駅】
東京駅から2つ目ですが、乗り換えなしの寂しい地下駅。東京都区内でも乗降客が少ない秘境駅として2019年「23区秘境駅」で取り上げました。地上に出ると周囲は東京海洋大学のキャンパスに囲まれていて、長閑。因みに快速は通過します。
【潮見駅】
越中島を発車して暫くすると地上に出ますが、左車窓に注目!総武本線の越中島支線「越中島貨物」駅が見えます。その名の通り旅客を扱わない貨物駅で、構内にあるJR東日本東京レールセンターから発送されるレールを輸送するための駅なんですよ。そして潮見駅に到着。ここも乗り換えなしの寂しい駅ですが、外の景色が見れるだけ越中島駅よりマシかも?快速は通過します。
【新木場駅】
潮見駅を出発すると広い運河を渡って、湾岸道路を高架橋でクロスオーバー。かなり高い場所を走るので、東京湾も見えますよ。そして新木場駅に到着。東京メトロ有楽町線(東武東上線、西武有楽町線・池袋線)、東京臨海高速鉄道(JR埼京線・川越線)との接続駅で、京葉線に直通運転する武蔵野線も停車する賑やかさ!将来は羽田空港に向かう電車も乗り入れると、さらに賑やかになるでしょう。ここから先は、湾岸道路と並行して東京湾沿いを走ります。
【二俣新町駅】
「葛西臨海公園駅」や「舞浜駅」は紹介しないのと問われそうですが、その2駅は有名すぎるからパスします(笑)。舞浜駅を発車すると車内はガラガラ。荒川や新旧江戸川を渡り、次に下車したのは「二俣新町」駅。この駅の前後では、西船橋駅に続く支線が分岐します。駅ホームからは、両支線が見えるんですよ。そして記者が、この駅を好む理由は、京葉線で最も乗降客数が少ないこと。駅周囲は工業地帯で、平日の日中や休日は、人がまばら。つまり、静か!ホームのベンチに腰掛けて、駅弁を楽しむには最適です。記者が東京駅で購入した駅弁は、上皇陛下もお気に入りの駅弁「チキン弁当」。ケチャップライスと唐揚げのシンプルな内容で、まるでお子さまランチ(笑)。でも、この組み合わせが嫌いな方は、老若男女いないでしょう!しかも60周年バージョン!900円と安価なのも良いですよね。
【新習志野駅】
ここで特急の通過待ち。房総半島へ向かう「わかしお」「さざなみ」号は、1991年より京葉線ルートに変更になりました。成田エクスプレスが誕生した際、総武本線のダイヤが窮屈になってしまったための対処です。しかし特急の5両編成は、やっぱり寂しいなあ……。
【幕張豊砂駅】
2023年、開業したピカピカの新駅です。千葉県内では、2010年に開業した成田スカイアクセス線「成田湯川」駅以来の新駅で、上下にホームが分かれているのが特徴。利用客もまだまだ少ない様子でした。ホームからは京葉車両センターが見られますよ。
【千葉みなと駅】
1986年、開業当初は「千葉港」駅。1992
年に改称しました。みなとの名称がつくだけに駅ホームからは海が見えます。千葉都市モノレールの接続駅で、JR千葉駅までは、らくらくアクセスが可能。徒歩移動でも30分かかりません。
【蘇我駅】
JR外房線、内房線、貨物線の京葉臨海鉄道臨海本線との接続駅で、特急も停車する房総方面のターミナル駅。京葉線は、基本蘇我駅で折り返しますが、「君津」「上総一ノ宮」「成東」駅まで直通運行する列車もあります。
さて、この後は、外房線で千葉駅→中央総武線各駅停車で西船橋駅→武蔵野線で新松戸駅→常磐線各駅停車で北松戸駅に向かえば「小回り乗車」終了。切符は記念にもらいましょう。
(パイン)
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