改修記念根本川岸道路(松戸市根本)
2025年9月5号 第741号
さて、こちらの碑。建っているのは、松戸駅西側の松ノ木通り沿い。川岸ではありません。近くに坂川と樋古根川が流れてはいますが…。はて、「根本川岸道路」とは?
調べてみると、ルーツは、江戸期にありました。鮮魚をはじめとした物の運搬で河岸(かし)が賑わっていた江戸時代。江戸川は、現在の流路ではなく、樋ノ口、古ヶ崎のあたりで、東に大きく湾曲していました。湾曲した川沿いの根本村には河岸があり、通称「根本川岸(ねもとがし)」と呼ばれていました。後に、江戸川をまっすぐに通す工事が完成すると、河岸の役目は終えましたが、「根本川岸」の名称は使われ続けたようです。坂川にかかる水堰橋から、松の木通りまでの古くからある通りが「根本川岸」だそうなので、これが改修された道路でしょう。近くの道標に「根本川岸組合」の表記もあります。
華々しく碑が建てられたのが大正15年。昭和初期には、「根本川岸」の南端にあった「ホテルせんだんや」(閉業)の敷地内にあったことから、そこが最初の設置場所だったと思われます。現在は、元の場所からすぐの松ノ木通りを挟んだ反対側に設置されています。昭和36年からの土地区画整理事業の折か、ホテルの建て替えの折、はたまた何かの事情で現在の場所に移されたのでしょう。令和の今、地域住民の生活の場の目じるしとして新たな役目を担っているようです。 (たい子)
◎参考資料/昭和の松戸誌(渡邉幸三郎) 江戸時代の松戸河岸と鮮魚輸送(渡辺尚志)
※所在地/松戸市根本松ノ木通り



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