雑草という草はない
2023年9月8日号 第693号
「雑草という草はない」という言葉は、現在、NHKの連続テレビ小説「らんまん」で放送されている、主人公の植物学者牧野富太郎博士の名言と言われています。
この言葉の根拠となったのは、作家、山本周五郎が残した言葉だったということです。(4.26 高知新聞plus より)牧野博士と話をした山本が雑草という言葉を口にしたところ、「きみ、世の中に“雑草”という草は無い。どんな草にだって、ちゃんと名前がついている。わたしは雑木林(ぞうきばやし)という言葉がキライだ。松、杉、楢、楓、櫟みんなそれぞれ固有名詞が付いている。それを世の多くの人々が、雑草だの雑木林だのと無神経に呼ぶ。もしきみが、“雑兵”と呼ばれたら、いい気がするか。人にはそれぞれ固有の姓名がちゃんとあるはず。人を呼ぶ には、正しくフルネームできちんと呼んであげるのが礼儀というものじゃないかね」と諭したそうです。
(木村久邇典『周五郎に生き方を学ぶ』実業之日本社より)
その牧野博士の墓は、日暮里駅からすぐの谷中天王寺墓地にあります。妻のすえ子さんの墓石と並んで建っています。 (タケ)
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