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石碑めぐり 226

松戸市でもっとも古い弁財天の石祠(広徳寺)

2021年12月3日号 第651号

左の弁天様は平成になって迎えられた
松戸市でもっとも古い弁財天の祠

 中金杉にある広徳寺は、小金城主であった高城氏の墓所があることで知られます。現在ある墓石は江戸時代のものですが、広徳寺は高城氏との縁が深く、高城氏の松戸における最初の拠点とされる栗ヶ沢で開山され、新たに小金城が築かれるとき、目と鼻の先の現在の場所に移されました。
 その広徳寺にある弁財天の石祠(右の写真)は、小金城の前に高城氏が拠点としていた根木内城にあったものです。石祠の左面には天正十六年九月九日という移転日が刻まれています。作られたのはそれ以前ですから、松戸市ではもっとも古い弁財天の石祠ということになります。
 広徳寺の石段を登ると、すぐ左手に、前述の「高城氏の墓所」を案内する立て札があります。その左奥に狭い階段があり、そこを降りると二人の弁天様に会えます(上の写真)。
 新しい弁天様は、御神体が失われてしまうほど古くなった石祠を補佐するべく、平成になって迎えられました。
 実は、弁財天には、琵琶を弾く優しい姿の他に、八本の腕に武器を持つ戦勝神としての姿もあります。広徳寺が小金城の出城としての役割も兼ねていたという説もあり、はたして失われた御神体の姿はどちらだったのでしょうか。(かつ)

※主な参考資料/「松戸史談」「東葛流山研究」
◎所在地/広徳寺(松戸市中金杉四丁目三)

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