千葉最古の帝釈天庚申塔(廣龍寺)(松戸市東松戸)
2022年8月5日号 第667号
庚申信仰にもとづいた庚申塔は、日本各地に数多く建立されています。松戸も例にもれず、神社や寺院の境内でもよく見られます。地蔵尊や道祖神、馬頭観音などの石仏も少なくありませんが、庚申塔の数は群を抜いていて数百基にもなります。
庚申塔は、大きく二つに分けることができます。一つは「青面金剛」や「庚申塔」などの文字が刻まれた文字塔、もう一つは「青面金剛」や「帝釈天」などが浮き彫りにされているものです。
浮彫塔は多くなく、文字塔の半分程度です。ほとんどは「青面金剛」が彫られていて、「帝釈天」にいたっては松戸市内では廣龍寺にしか現存していません。
帝釈天は江戸時代に人気となり、廣龍寺の帝釈天庚申塔も江戸時代後期に建てられていて、千葉県内では最古のものとされます。二メートル近くの高さがあり、帝釈天の足元には宝珠や香炉を手にする二童子、台石にはめでたい兆しである瑞雲、さらに「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿と、時を告げる二鶏が彫られています。
廣龍寺の帝釈天庚申塔のある東松戸は、以前は紙敷の一部であり、この紙敷では戦後しばらくの間まで庚申祭りが行われていたそうです。(かつ)
※参考図書/「松戸史談」
◎所在地/松戸市東松戸3-16-3
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