道喜霊(栗山 腹切坂)(松戸市矢切)
かつて「腹切坂」と呼ばれていた栗山坂下には、「妙法道喜霊」の碑があります(写真右側)。並べて祭られているのは、「妙法山神」の碑です(写真左側)。
道喜霊が建てられた理由については、異なる三つの話が伝えられています。
一つは、ある武士がここで腹を切り、その傷口から腸を引き出しながら息絶えたというものです。その理由は伝えられていませんが、よほどの何かを訴えたかったのでしょうか。
二つ目は、明治時代ですが、やはり男が腹を切った話で、これは裏切った恋人を殺して自殺を図った無理心中だったようです。
三つ目は、他の二つとは毛色の違う話で、ある殿様の奥方がここで急に産気づいたものの、従者の介添で男子を無事に産んだというものです。それを記念して建てられたのが、道喜霊だそうです。その左隣に祭られているのが、安産の守り神ともされる妙法山神なのは、偶然なのでしょうか。
二つの碑の祭られている左側には、「西国秩父坂東参詣成就」の碑が建てられています。かつての腹切坂は、うっそうとした林の中にあり、夜は明かり一つない真っ暗な場所だったそうで、供養を必要とする出来事も少なからずあったと言われています。 (かつ)
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