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石碑めぐり 202

傍生之碑(松戸市上本郷)

2020年12月4日号 第627号

松戸市内に数ヶ所ある湧水の一つに上本郷湧水(カンスケ井戸)があります。井戸の前には松戸市案内板「市内に残る湧水は枯渇しつつありますがカンスケ井戸は往時のままに豊かな清水をたたえています」との記有。ここは隣に広がる前田公園と共に憩いの場。井戸は本福寺のある丘に登る井戸坂の麓に位置しています。この急坂途上の竹林の中に傍生之碑がひっそり建っています。はて傍生(ぼうしょう)とは?辞典によりますと「体を横にして生きる生き物すなわち畜生」では畜生とは?「鳥獣虫魚などあらゆる動物を意味する人に蓄(やしな)われて生きている物の意」とあります。碑が建つ入口の石柱には中国のことわざ「子供は母の醜くきを嫌わず」「犬は家の貧しさを嫌わず」と刻まれています。母に対する愛情は美醜を超越した深いもの。小説「少年と犬」で直木賞受賞した作家馳星周は「犬は人という愚かな種の為に神様だか仏様だかが遣わせてくれた人の心を理解し人に寄り添ってくれる生き物なのだ」と語っています。この碑は人に蓄(やしな)われて生きた愛おしい生き物の供養塔。さて本福寺は幕末長州藩を脱藩した吉田松陰が水戸へ向かう途上泊めてもらった寺として有名です。作家司馬遼太郎小説にこの井戸坂を登ったと思われる場面が登場します。「旅籠を避け里人の紹介を得わざわざ松戸東北半里の山中に分け入り本郷村に入りそこの本福寺という寺の山門をたたき…」追手を恐れて必死で登ったのであろう吉田松陰その情景が浮かぶ井戸坂です。  (ゴジラ)
◎所在/松戸市上本郷2832-2

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