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石碑めぐり 227

宮城遥拝所(松戸市南花島)

2021年12月17日号 第652号

 上本郷駅西口から西方293m海抜15m南花島3丁目の地点に創建は延徳2年(1490)と伝わる春日神社があります。神社の向かい側には四ツ久保公園が広がり一帯はのどかな雰囲気に包まれています。広々とした境内に入りますと拝殿左手に宮城遥拝所の碑が建っています。裏面には、御成婚/富士登山記念。大正13年(1924)1月26日。明村青年団南花島支団と刻まれています。この年は大正天皇ご病気の為摂政に就任されていた後の昭和天皇がご成婚なされた年です。宮城遥拝とは宮城(皇居)の方向に向かって敬礼する、天皇を拝む行為であり第二次世界大戦中は天皇への忠誠を介して戦意高揚を図る目的で盛んに行われていたと伝えらえています。さて作家松本清張(平成4年82歳没)の遺作となった未完の小説「神々の乱心」は宮中と言う世界に迫ったフィクション、ノンフィクションを融合させた作品です。清張が構想20年以上も温め、いつかは小説に残しておきたい。不敬小説になるのでは?とある程度の覚悟を持って平成2年80歳一番書きたかった小説の執筆を開始しました。結局清張は平成4年4月没し物語は終盤を残して未完の小説となりましたが後、著者の意思を生かして刊行されました。小説には皇位継承の最も大事な次の天皇に三種の神器(くさなぎのつるぎ、やさかにのまがたま、やたのかがみ)を引き継ぐ検璽等継承の儀、その神器偽物を作中の人物が整える場面も登場します。ちなみに不敬とは皇室の尊厳を害する一切の行為。
(ゴジラ)

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