陸軍境界標石(松戸市岩瀬)
2022年4月8日号 第659号
松戸と津田沼を結ぶ新京成線は松戸市民の大切な足です。松戸・津田沼間は直線距離だと約16㎞ですが、松戸駅と京成津田沼駅間はカーブが多いため26・5㎞。理由には諸説ありますが、昔、陸軍鉄道第二連隊の演習線で鉄道連隊に「路線四十五㎞をもつて…編成」の規定があり、鉄道第一連隊の千葉~津田沼~第二連隊の松戸間を45㎞にする必要から、また演習用にカーブを多くした。などとされています。
鉄道連隊は、戦地において鉄道の敷設、補修、運転など行う部隊で人員や物資輸送を支えていました。陸軍が管理していた軍用地に境界の標識として建立した標石で「陸軍」と記載され当時の歴史が残っています。この標石は市内に数多くあります。但し、軍用鉄道は戦後、民間鉄道として線路を直線に近づけたため当時とは軌道が違っています。このため今ではこの標石の近辺は閑静な住宅街で演習線の影も形もなく見つけるのに苦労しました。 近くの松戸中央公園にある松戸陸軍工兵学校の跡地には正門及び歩哨哨舎も残されており、元々工兵の街だった松戸の戦前の歴史が多く保存されています。松戸駅から近く、公園、学校など緑豊かで静かな環境にあり、公園は手入れされており「兵どもの夢の跡」を訪ねることができます。コロナ禍で巣ごもりが続き、運動不足のおり、散歩がてら歴史に触れて見てはいかがですか。(お富さん)
◎所在地/松戸市岩瀬221(松戸一中学から南へ数十メートル行った場所です)
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