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駅から好アクセス!群馬県太田市「金山」(かなやま)は、日帰り登山に最適!

2025年2月7日 第727号

 昨年末、ふと気づいたんです。「最近、登山に出かけていない……」。思い起こせば2024年の登山は、6月一面に取り上げた三浦半島「三浦富士~武山ハイキング」のみ。虫歯や皮膚炎、50肩の治療で、なかなか出かけられなかった記者。そこで急遽12月30日、以前から計画していた群馬県太田市の「金山ハイキング」を決行しました。金山は太田駅から近く、低山(235・8m)とはいえ運動不足の解消にはよいでしょう。そして太田に行くならば、日本三大焼きそばの1つ「上州太田焼きそば」は絶対に食べたい!久々の登山レポートをお届けします。

 太田市一帯は清和源氏、河内源氏新田氏の本貫地。足利尊氏とともに鎌倉幕府を倒すために活躍した武将、新田義貞は有名ですよね(太田駅北口ロータリーに銅像が立っています)。近代になると自動車産業で栄え、太田駅のそばには自動車メーカーの大きな工場があります。さらに自然も豊か!今回登るのは、太田駅から徒歩でラクラク行ける「金山」。戦国時代に築かれた山城の遺構が残る観光地です。

 東武線特急「りょうもう」号の利用が便利。記者は近年の館林観光や、足利市低山ハイキングの取材で利用しました。特急券はネットで購入が可能で、座席の位置まで選択できます。早朝の券売機で慌てずに済みますよ。

 北千住駅は年末のためかトランクを引きずる旅行客の姿が目立ちました。日光や鬼怒川温泉へ向かう東武線特急は、早朝にもかかわらず午前中は既に満席。でも、太田方面に向かうりょうもう号は空いていました。北千住駅を出ると複々線区間をかっ飛ばして、あっという間に埼玉県へ。東武動物公園駅、久喜駅と停車し、利根川を渡り群馬県の館林駅に到着。その先は単線区間で、のどかな田園風景を進み、足利市駅を経て、太田駅までは1時間半ほどの乗車です。太田駅は立派な高架駅で、駅構内にはコンビニがあり、登山前の食料などの調達も可能です。

受楽寺の脇道から登山開始!

 ウエブサイトで見つけたハイキングマップを見ると、金山の南側、東山コースは登山口が多く、記者は受楽寺そばから登る道を選択。せっかくなので寺に寄って登山前に安全を祈願し、インパクトある金文字の御朱印をいただきました。その後は寺の脇道を進んで、いよいよハイキングの開始!まずは親水広場を目指します。序盤は、緩やかな坂道で歩きやすく、左手には富士山が見えてテンションが上がってきました!分かれ道には案内板が立ち、迷うことはありません。受楽寺から15分ほど、あっという間に「親水広場」に到着です。一度、一般道に出て、歩行者専用道を北上ししばらくすると、本格的な登山道に突入します。

「親水広場」の先辺りで、本格的な登山道へ!

 本格的な登山道に入って15分ほどで「御城橋」に着きました。記者は橋を渡るのがとにかく苦手……。渡っていると両足がガクガク震えるのはなぜなのか?下を除くことなんて絶対無理で、急ぎ足で渡りました。やがて東屋が見えます。今回の登山では、この東屋の先から頂上までが、そこそこの急坂で悪路でしたね。特に悩まされたのは枯れ葉!どこが本道が分からないくらい大量に積もっていて、何より滑る!登り以上に下りは危険です。注意してください!

「御城橋」
枯れ葉で、足元が滑る!
太田金山城跡には戦国時代の石垣が残る

 枯れ葉が積もる山道を登っていくと「本城南端」の案内板を発見。戦国期の城の石垣跡を間近で見られるなんてすごい!さらに進むと、T字路へ。地図を見てもどちらに進めば頂上に行けるのか分かりません。勘を頼りに右手に進むと石段を見つけました。登り切ると、周囲の景色が開けて、無事に金山山頂に鎮座する「新田神社」に到着です。境内からの眺めは低山ながら最高!空気が澄んだ冬場の眺めは特にいいですね。筑波山や富士山までハッキリ見えました。

山城の本丸跡に鎮座する「新田神社」
新田神社の境内からは関東平野を一望できる
太田金山城の史跡

 新田神社で祈願を済ませ、太田金山城の史跡を見学した後は、「北山コース」を回っての下山を予定していましたが、年末年始のためゲートは封鎖。仕方なくコースを変更して御城橋付近の東屋まで戻り、史跡金山城跡ガイダンス施設方面に下ります。しかし分岐点であろう場所に案内板がないのです。周囲を見渡すと、一般道のガードレールが不自然に途切れている場所がありました。側に行くと下る山道があります。でも、手持ちの地図は簡易表記であてにならず、進んでいいのか判断に迷います。「変だと思ったらすぐ戻ろう」と決めて、いざ進むと、「←ガイダンスへ」と手書きの案内板を発見。胸をなでおろして、先に進みますが、今度は再び枯れ葉に悩まされます。記者の膝辺りまで積もった場所もあり、足が取られて容易に進めません。自信がない方は一般道を通った方がいいかもしれませんね。

ここがガイダンス施設へ下る登山道!
金龍寺の新田義貞供養塔

 ガイダンス施設手前からは一般道を下りましたが、悪路で痛い目に合ったにもかかわらず「もう少し自然の中を歩きたい」と欲求が募ります(笑)。するとタイミングよく登山道の出入り口を発見。再び登山道を進むと、わずか5分ほどで墓地に到着しました。そこは「金龍寺」の境内で、新田義貞の供養塔がある古刹です。お参りを済ませて、次に大光院に向かうため再び墓地を歩いていると、驚いたことに「新田義貞公」と記された墓を見つけたんです。同姓同名の墓でしょうか?真実はわかりませんが、有名な武将の墓や供養塔は、全国に多数存在するので、深く考えるのはやめました(笑)。

大光院

 「金龍寺」から10分かからず「大光院」に到着。ここで登山道は終わりです。徳川家康が先祖である新田氏の祖、新田義重の菩提を弔うために、呑龍という僧に創立させました。今回訪れた寺院では最も広大な敷地を誇り、義重の墓もあります。

 寺を出て県道321号線を南に進み、太田駅方面を目指します。すると大光院からすぐ近くの場所で、「上州名物呑龍まんじゅう」「焼きまんじゅう」と表記されたボロボロの看板を見つけました。呑龍は大光院のこと。焼きまんじゅうは、言わずと知れた群馬の名物です。でも看板の周りにお店はありません。周囲をよ~く見てみると、道路の反対側に店舗がありました!土産用だけでなく、その場でできたてアツアツの焼きまんじゅうを食べられますよ。

群馬県名物焼きまんじゅう
上州太田焼きそば、なのかな(笑)?

 旅のラストは、「日本三大焼きそばの1つ上州太田焼きそばを食べよう」とネットで調べ、通り道にある店に立ち寄ったら、のぼり旗が出てないんですよね。屋外に出ているメニューにも載っていないんです。「佐野ラーメン」などと違って、観光資源として力を入れていないのか?そんな感じで数軒スルーしたら太田駅近くまで来てしまいました。しかたなく太田駅近くの食堂に入り、メニューに焼きそばがあったので注文。本来の上州太田焼きそばとは異なるかもしれないけど、これが大当たり!とにかく美味しかった!ということで、上州太田焼きそば情報をご存じの方、お待ちしています(笑)。       (パイン)

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