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石碑めぐり 276

県内最古の道祖神 王子神社(松戸市馬橋)

2026年3月13号 第753号

 王子神社は、萬満寺の守護神として創建され、もとは熊野権現の若一王子(にゃくいちおうじ)を勧請したものでした。呼称も当初は「王子権現」でしたが、神仏分離令により「王子神社」として独立しました。現在の境内には、庚申塔をはじめとする多くの石碑が集められています。
 その中の一つ(左上の写真中央)、寛文元年(一六六一)銘の道祖神は、県内最古のものとされています。道祖神としては珍しい石祠型で、あまりに古いため、祠内に祀られていた内在神が失われてしまっている状態です。
 道祖神は、村境や峠、道の分岐点などに祀られてきた民間信仰の神で、外部から侵入する災厄や疫病を防ぎ、旅の安全や集落の安寧を守る存在とされています。
 石祠型の道祖神は、自然石や切石を用いて作られた小さな祠(ほこら)の中に神を祀る形態を取ります。祠の内部には、神名を刻んだ石や簡素な石像、あるいは特定の像を持たない象徴的な石のみが安置されている場合もあります。家屋や社殿を縮小したような姿をしているのが特徴です。
 この形式の道祖神は、村人たちの「境を守り、日常を守る」という切実な願いが凝縮された信仰の形といえるでしょう。王子神社に残る県内最古の道祖神も、もとは村境や道の入口など、結界的な意味を持つ場所に建てられていたものと考えられます。   (かつ)

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