2021年7月23日 第642号
このコロナ禍で外出が制限されて、リモートワークという働き方も確立し、体を動かす機会が減ったことから休日にランニングやウォーキングで汗を流す方を多く見かけるこの頃。やはり記者も「運動しないとな…」と焦ってしまいます(笑)。でもいきなりのランニングは無理なので歩くことにしました!せっかく歩くのならば、と思いたったのが古道巡り!松戸市内の水戸街道を踏破した記事を書いたのはもう6年前。今回は松戸市内の『印西道』踏破にチャレンジします!
【素敵なアプリを発見!】
「古地図散歩」という無料スマホアプリをご存知ですか?最近はグーグルマップでも細かく道路の名称が記載されていますが、このアプリは複数の古地図や古い航空写真とグーグルマップを重ね合わせて新旧土地の比較が楽しめる優れモノで、今回は1930年~1960年頃の古地図とGPSを駆使して松戸市内の印西道を踏破します。
【馬橋駅東口からスタート!】
JR馬橋駅東口は路線バスが進入できないほどロータリーが狭く建物が密集し昭和テイストが今も残る場所です。駅近くを通る旧水戸街道は小林一茶ゆかりの地でもある門前町馬橋のメインストリート。柏方面へ進むと古刹万満寺の門前で街道は緩くカーブします。その先は江戸見坂と称された坂道となり、現水戸街道に向かってなだらかに高度を上げていきます。高い建物がなかった江戸時代にはこの坂道から江戸の町が見えたのでしょうね。。
【水戸街道道標が建つ八ヶ崎交差点】
記者が9年前に石碑のコーナーで取りあげた「水戸街道道標」は215年の時を経て今もしっかりと八ヶ崎交差点に建っています。江戸時代18
06年の建立とは、石は丈夫ですよね。道標には「左水戸街道 右印西道」と刻まれていて、今回歩く印西道は八ヶ崎交差点からスタートします。
さて「頑張って歩くぞ!」と気合を入れて歩き始める前に進行方向に注意してください!思わず市内屈指の桜並木で有名なさくら通りを進みたくなりますが、実は国道6号線松戸方面左側の階段状になっている道が印西道なのです。階段を上り真っ直ぐ進むと閑静な住宅街の何気ない路地が続きますが、アプリで確かめると進路は間違いありません。多少心配になりつつも昔の旅人になったつもりで200年以上も前からある街道をどんどん進んでいきます。
すぐに気付いたのですが進行方向の右手は急斜面で高度が高く、時折木々の隙間から遥か都心のビル群を眺めることができました。
【トラブル発生!何百年も経てば…】
順調に古道を歩くも、この日はやたらと暑かったのです。帽子やタオルに飲料は常備した方が良いですね。途中に木陰が多い公園もありましたので休憩を入れてマイペースで歩きましょう。やがて松戸三中方面からの坂道と合流して、その先でした。「あれT字路?道がない!」アプリで確認してもここまでの道筋は合っています。そうです!道がなくなってしまったのです。古地図ではこの先も一本道が続きますが、現在の地図ではT字路。まあ何百年も経てばそのような箇所はありますよね。そんな時は割り切って迂回をしましょう。この先印西道が現存するのはJR武蔵野線を越えた側で、迂回を繰り返し、どうにか再び古道に辿り着けました。
【気を付けて!ここから先は歩道なし!】
やがて印西道はスタート地点の八ヶ崎交差点で分かれたさくら通りと合流します。
そしてこの先は歩くにあたって注意が必要です!バンバン車が走る大通り沿いを歩くのですが、なんと歩道やガードレールがゴールまでありません!安全ゾーンも人が擦れ違えないほどの狭い箇所や、電柱が邪魔で非常に通りにくい箇所もあるので気を付けてください。車では何度も通っていますが歩いたのは今回が初めてで、こんなに歩きにくいとは予想以上です。でもこの通りは高木小の通学路なんですよね…。暫し歩くと印西道は、けやき通りと交差します。右折すれば21世紀の森と広場へ、左折すれば近年できたショッピングモールを経て水戸街道へ、印西道は直進です。交差点を通過後、右手に街道風情を感じる竹やぶを見ながらゆるやかな坂を下り「八坂神社交差点」に到着しました。
【佐野八坂神社】
松戸市内の印西道沿いには寺社仏閣が少ない中で交差点の名称にもなっている佐野八坂神社。交差点の直進方向は一方通行で、車両進入禁止の交通標識がこれでもかと主張していますが記者は徒歩なのでもちろん進みます。
佐野八坂神社は交差点を渡った街道の左手にあります。案内板を見ると1730年建立で江戸時代は暴れん坊将軍の治世ですね。階段を上がった先にある境内は広いとは言えませんが、やはり神社に来ると歴史情緒を感じます。自分が生まれる何十年も前から存在しているものが当たり前に見られるって凄いことだと思いませんか?
【松戸演習線とお地蔵様】
S字状の緩い坂道を上がり、あめりかふう通りとのT字路以降、再び印西道は車両が対向可能な道路になりますが歩道はありません(泣)。県道51号線と合流すると交通量は一掃増えますが、道は狭いままで歩道はなし(泣)!そして県道との合流付近に新京成線の前進である旧陸軍鉄道連隊の松戸演習線との交差地点があるのですが、その遺構を探すも明確には分かりませんでした。その代わりに古いお地蔵様を発見しました。道標と一体型?大分風化していて土台に刻まれている文字は解読できませんでした(泣)。
【松戸市内印西道を踏破!でも街道はまだまだ続く】
県道57号線との交差点を通過して、次の信号がある何気ない交差点が今回のゴールです。よ~く見ると県道標識の下
に柏市の境界標識があります。これで松戸市内の印西道は踏破しましたが、街道は印西市へとまだまだ続きます。ウォーキングに費やした時間は1時間ちょっと。記者は市内を歩いただけでもなかなかの運動になりました。
みなさんも個々の体力に合った方法で楽しんで古道巡りにチャレンジしてみてください。(パイン)
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