特集記事

旧街道を歩こう!旧水戸街道千住宿~松戸宿編

2022年7月22日 第666号

 松戸市内の旧水戸街道を踏破したのは7年前。歩き終えた感想は、思ったより楽勝でした♪しかし前回の旧街道歩き「小仏峠越え」は、まさに地獄…。次こそは程良いウォーキングを目指そうと今回、企画したのが水戸街道、千住宿~松戸宿間の旧道歩きです。さて、その結果は、いかに?

【水戸街道のスタート地点・千住宿】

千住宿は北千住駅前から歩いてスグ!
千住宿北側にある水戸街道のスタート地点

松戸駅から常磐線快速に乗れば隣の北千住駅。JR常磐線、東武線、つくばエクスプレス線、地下鉄千代田線・日比谷線が集うまさに都心のターミナル駅です。そして千住と言えば、ここ数十年で発展した街ではなく、江戸時代から「江戸4宿の1つ」として大いに栄えた日光街道の宿場町。さらに千住宿は新宿、松戸宿、小金宿を経て徳川御三家水戸藩へと続く水戸街道のスタート地点。今回は、千住宿から松戸宿まで、旧水戸街道を完全踏破します。ルートは平坦で、怖いものはナシ!唯一の懸念は、今年の異常な暑さでしょうか?
 記者は常磐線各駅停車で北千住へアクセス。綾瀬からは東京メトロ千代田線に乗り入れるので、北千住駅では地下から地上へ西口ロータリーに出ました。すると目の前に旧日光街道への案内板を発見!北千住駅前から僅か150mの距離にある千住宿(宿場町通り/北千住サンロード商店街)は、懐かしき昭和テイスト漂う商店街で、古い建物も残っています。この先、旧街道には所々に自動販売機があり飲み物は購入できますがコンビニなど店舗はなく、食べ物は北千住で買うのがベスト。人気が少なくなる宿場通りの北側、何気ない信号機ありの交差点で記者は足を止めます。実はそこが日光街道と水戸街道の追分で、もちろん記者は水戸街道を突き進みます。その先は街道とは思えない狭い道が続きますが、電柱に「旧水戸街道」の標示を発見。明治期に開通した常磐線のガードを潜り、東武スカイツリーラインのガードを潜り(なんとレンガ製!)、その先は…「えっ!行き止まり!」。荒川によって水戸街道はプツリと途切れます。

賑やかな宿場町通り
商店街に残る古い建築物
荒川によりプツリ途切れる旧道筋

【荒川放水路】

荒川放水路の名残を発見!

荒川の土手に登り河川敷を眺めると大勢の人たちがランニング、サイクリング、野球と休日を満喫しています。因みにその日は真夏日(笑)。地域住民の憩いの場になっている荒川ですが、記者が幼き頃の名称は「荒川放水路」でした。実は現荒川、明治後期から昭和初期までの大工事の末に造られた人工河川と知っていましたか?それにより旧水戸街道も分断されてしまいました。なので街道を辿るには橋を渡って対岸へ行かなければなりません。記者は千住新橋を渡り小菅方面を目指します。

【綾瀬川と水戸橋】

今度は、綾瀬川でプツリ!

 対岸に渡り、ようやく旧水戸街道の道筋を発見。東京拘置所付近、都道308号線旧道から再スタートです。都道と言っても旧道なので一方通行の狭い生活道路。でも、沿道には銭湯や古い蔵がある家、タバコ屋の名残を見つけたりレトロな雰囲気を味わえます。すると街道は、また行き止まり?今度は綾瀬川にぶつかります。その川岸で「水戸橋跡地」の説明書きを発見しました。どうやら江戸初期よりこの地点には「水戸橋」が架けられていたようで、水質汚染ばかりが目立つ綾瀬川は、歴史ある河川だったのですね。古い橋台の石組みがモニュメントとして残されていて、行き止まりと思った旧街道は、平成に竣工した水戸橋を渡り、無事対岸に繋がっています。

実は長い歴史がある綾瀬川

【亀有の一里塚】

 水戸橋を渡った後は、歩道がない狭い道が続くので気をつけて進んでください。やがて都道「川の手通り」を通過し再び人通りの少ない静かな生活道路になりますが、旧街道は突如左折します。
ここで「旧水戸佐倉道」の案内板を発見!旧街道はなだらかに曲線を描き、常磐線と並行したかと思えば、すぐに分かれて住宅地をクネクネ進みます。そして車の通りが激しい都道467号と合流し、亀有駅付近で水戸黄門のモニュメントと並んで建つ一里塚を通過すれば、環七通りに辿り着きます。

亀有の一里塚

【佐倉道との追分、新宿】

平成に掛け替えられた現中川橋
新宿のクランク

 現在の中川橋は平成に架け替えられました。橋を渡り右折すれば新宿です。今や宿場の面影はなく、クランクする通りだけが古さを感じさせます。その先は、水戸街道と佐倉道の追分で、旧水戸街道は、左折して狭い路地へ。暫くしてJR新金貨物線の「浜街道踏切」を渡りますが、水戸街道は陸前浜街道と呼ばれた時代もあり正しく旧道筋の証しですね。金町駅に近づくとついに現道と重なります。ですがそれも束の間、京成金町線の踏切を渡り、現道はその先のY字路を右手にカーブし、新葛飾橋を経て江戸川を渡り松戸市へ。旧道は左手に進み常磐線のガードを潜ると、すぐに右折し、一方通行の狭い路地を進みます。

初めて現道と合流

【葛西神社と金町関所跡】

葛西神社

 狭い路地を通り抜けると葛西神社に辿り着きました。境内からは江戸川の土手が見えます。車で江戸川沿いを通って柴又に向かう際など、長年気になっていた神社ですが、訪れるのは初めて。社務所でチャイムを鳴らせば御朱印がもらえますよ。参拝後、再び旧街道を進むと、江戸川土手に突き当ります。記者は土手上ではなく土手下の狭い道を進み、旧葛飾橋を渡る前に金町関所跡を訪れました。碑文によると江戸期には、この近辺に関所があったそうです。将軍が下総の地で鷹狩を行う際は、江戸川に高瀬舟を並べてその上を渡っていったそうですよ。
記者は旧葛飾橋を渡り、いよいよ我が千葉県松戸市へ辿り着きました。橋を渡り旧街道は左折、そのまま真っ直ぐ坂川と並行して松戸の市街地へ入ります。鮮魚街道との追分である角町交差点側では、明治期に造られた千葉県で一番古い「小山樋門」レンガ橋を見ることができます。 
(パイン)

旧葛飾橋を渡れば松戸宿
角町交差点

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