下山国鉄総裁追憶碑(東京都足立区)
2021年3月12日号 第633号
常磐線綾瀬駅と北千住駅の間、東武線と交差する付近で発生した国鉄三大ミステリー事件のひとつ『下山事件』を知っていますか?昭和24年7月、その年6月に発足した国鉄の初代総裁「下山定則」が朝の出勤時に失踪、翌日常磐線の線路上で轢死体で発見された事件です。
事件後、自殺説と他殺説が騒がれる中、なぜか警視庁は捜査結果の発表なく、突如捜査本部は解散し、捜査は打ち切られました。昭和39年、公訴時効成立によって、事件は迷宮入り。今回紹介するのは、そんな下山総裁の追憶碑です。
場所は綾瀬駅西口から北千住方面へ500m程、線路沿いに進み、綾瀬川を渡り、五反野親水緑道を抜けて、常磐線ガード横に碑はあります。石碑の横にある説明書きには「昭和26年、事件現場付近に建立。昭和45年、千代田線建設工事のため移設、第二代国鉄総裁加賀山之雄の筆跡による本石碑に取り替え。平成3年、荒川橋梁改良工事により現在の場所に移設」と記されています。ゆえに石碑は轢断地点より150m離れた場所にあり、ガードを潜った足立区立五反野コミュニティ公園に行けば、事件現場へ近づけます。
今でこそ石碑付近は住宅が密集して常磐線は高架になっていますが、事件当時は弥五郎新田踏切があり、あぜ道と水路に建物と言えば小菅刑務所(現東京拘置所)だけが目立つ長閑な場所です。
(パイン)
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