2025年12月19日 第748号
「茨城県にも電車がたくさん保存されている博物館があるって!」との一報を家族から聞き、パソコンで調べてみると…。寝台特急や新幹線といった鉄道車両のほかにも、飛行機や、クラシックカー、消防車などの様々な乗り物が展示されている博物館を見つけました。その博物館が今回ご紹介するザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」です。
茨城県筑西市に位置するザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」は陸・海・空・宇宙のテーマパークで、テーマごとに展示場所が分けられています。今回はその中でも、「レールパーク」、「科博廣澤航空博物館」、「宇宙館」に焦点をあててご紹介します。
①12両の鉄道車両が集う「レールパーク」
ユメノバに入園して、まず記者の目に飛び込んできたのは、12両の鉄道車両が展示されているレールパークです。ここに展示されている車両は、全て茨城県内を走行した実績を持ちます。
最初に、時代の異なる三つの車両が出迎えてくれました。東北新幹線で活躍したE2系、最も多く製造された蒸気機関車のD51形、赤い電気機関車のEF81形です。新幹線・蒸気機関車・電気機関車という、時代を超えた名車の並びを見ることができて、早くも記者の期待は最高潮に達します。
その奥には、寝台特急「北斗星」で活躍した客車4両と、関東鉄道常総線で活躍した気動車2両、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で「マリンライナーはまなす」として親しまれた気動車2両が展示されています。


常総線で活躍していたキハ101・102は、国鉄から譲渡された車両で、戸袋のない外吊りドアが特徴です。キハ102号車は、昔の時刻表や鉄道雑誌を読むことができる鉄道図書館として解放されています。「マリンライナーはまなす」の車内では、「電車でGO!」などの鉄道のゲーム機が多数設置されていて、無料で遊ぶことができます。記者が訪問した日も家族連れで賑わっていました。


②宿泊もOK!寝台特急「北斗星」

みなさん、上野から札幌を結んでいた寝台特急「北斗星」を覚えていますか?「北斗星」は、昭和から平成にかけて活躍した「ブルートレイン」の一つです。北海道新幹線の開通や車両の老朽化で引退してから約10年が経ちますが、ここでは今でも現役で、宿泊することもできます。
車内は常時見学可能で、往年の豪華ブルートレインの雰囲気を肌で感じることができます。寝台車両だけでなく、展望車両のロビーカーや、食堂車のグランシャリオも併せて展示されているので、現役時代の北斗星が持っていた特別な空間をより深く体験できます。記者は、現役時代には立ち入り禁止であった厨房も見学させてもらいました。厨房の壁には、定期列車引退後に運行された臨時列車でのダイヤが貼られており、この車両が北斗星として最後まで活躍した証を垣間見ることができます。




③運転席公開日も
最初に出迎えてくれたE2系新幹線・D51形蒸気機関車・EF81形電気機関車の3両は、通常は非公開の運転席が公開される日があります。特に新幹線の運転席公開は珍しく、E2系新幹線の運転席が公開される施設はユメノバだけです。詳細はザ・ヒロサワ・シティのホームページをご覧ください。

④鉄道資料館・鉄道きっぷ館

レールパークの横には、様々な鉄道関連の部品や資料が展示されている鉄道資料館と、天皇陛下御成婚時の記念切符などの貴重な切符を展示している鉄道きっぷ館があります。鉄道資料館には、行き先を示すサボや廃線になった路線の駅名標、走る美術館と呼ばれた現美新幹線の座席などが展示されています。特に平(現・いわき)―上野のサボは、貫禄のある色合いで、使用頻度が高かったことが覗えました。

⑤YSー11に会える「科博廣澤航空博物館」
科博廣澤航空博物館では、国立科学博物館が所蔵する航空機7機を展示しています。格納庫に入って、まず目に入るのは、戦後初の国産旅客機として日本の航空史に名を刻んだYSー11の量産初号機です。YSー11のプロペラを間近で見ると、その迫力に思わず圧倒されます。他にも零戦や軽飛行機、ヘリコプターも展示されています。
さらに、格納庫内では無料でフライトシミュレータを体験することができます。記者は、羽田空港から伊丹空港へのフライトに挑戦しました。離陸はスムーズにできましたが、着陸は速度の調節が難しく、滑走路をオーバーランしてしまいました。着陸に失敗したので、「次こそは!」と意気込んで、何度も挑戦しましたが、残念ながら一度も上手に着陸することはできませんでした。この体験を通じて、パイロットの方の操縦スキルの高さがよく分かりました。

⑥「きぼう」を展示!「宇宙館」
宇宙館には、JAXAから譲渡された、国際宇宙ステーション「きぼう」の関連部品が展示されています。中でも、船内実験室、船外実験プラットフォーム、ロボットアームは、「きぼう」を開発するときに制作された試作品で、実物とほとんど同じ構造です。記者は船内実験室を見学してみて、「天井も床も関係なく、部品が取り付けられている」と感じました。これは、本物の「きぼう」の船内実験室では、宇宙飛行士が無重力状態で作業をするため、上下の区別がないからです。重力の有無はありますが、「きぼう」の雰囲気を味わうことができ、貴重な体験になりました。

ザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」のアクセスは、関東鉄道常総線下館駅からバスまたはタクシーで約10分。入園料金は、大人2500円、大学生・高校生1000円、中学生700円、5歳以上500円になっています。駐車場料金は無料です。
みなさんも、陸・海・空・宇宙の夢と歴史が交差するテーマパーク「ユメノバ」を訪れてみてはいかがですか?(ベース)
※取材協力/ザ・ヒロサワ・シティ


















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