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小金 八坂神社 力持力士・石の平蔵の力石

2020年12月4日号 第627号

 江戸時代から昭和にかけ、娯楽や神事として、力比べが盛んに行われていました。その力比べに使われていたのが「力石」です。写真のように、あえて持ちにくい自然石が用意されることが多く、力自慢は純粋に力のみでこれを持ち上げることにより、力を競い合いました。このような催しは全国各地で広く行われており、そこで活躍した猛者は、力持力士として称賛されました。
 八丁堀(現・東京都中央区)の亀嶋平蔵は、「石の平蔵」と呼ばれるほど有名な力持力士でした。小金 八坂神社に残されている力石の一つ(写真中央)は、この平蔵が奉納したものです。今でも力石に刻み込まれている「八丁堀」などの文字がかろうじて読み取れます。かつては「八丁堀 平蔵」の切り付けの他に、「六十四〆目」などの文字も読めたようです。一貫目は三・七五キロですから、平蔵の持ち上げた力石は、実に二四〇キロもあったわけです。
 力持力士として高名な平蔵の残した力石は、わかっているもので、古くは高砂天祖神社(東京都葛飾区)に、新しいもので牛嶋神社(東京都墨田区)に、合わせると三〇個近くあるようです。力石は保存状態の良くないものも多いようなので、実際にはもっとあったのではないでしょうか。(かつ)

※主な参考資料/「松戸史談」
◎所在地/松戸市小金町字西444-57

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