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石碑めぐり 278

贈右大臣大久保公哀悼碑(東京都千代田区)

2026年5月15号 第757号

 明治初期の偉人といえば、誰を思い浮かべますか?記者は、渋沢栄一や伊藤博文といった「紙幣の顔」を思い浮かべます。しかし、初期明治政府の実質的なリーダーといえば、大久保利通を忘れてはなりません。歴史上、大久保はよく同じ薩摩藩出身の西郷隆盛と対照的に語られます。苦楽を共にした無二の親友である二人ですが、維新後は国造りの方針を巡って決別し、西南戦争で敵味方に分かれる悲劇を辿りました。情熱的な西郷に対し、大久保は冷徹なまでの論理性で国を動かしたリアリスト。「廃藩置県」や「殖産興業」を断行した彼は、まさに「建国の父」です。自ら創設した「内務省」を中枢に、初代内務卿として新国家を牽引しました。しかし明治11年、大久保はこの紀尾井町で不平士族に暗殺されます。その非業の死を悼み、明治17年に建立されたのが今回紹介する『贈右大臣大久保公哀悼碑』です。アクセスは東京メトロ半蔵門線「永田町」駅から。弁慶橋を渡り、通りを進むと、やがて右手に緑豊かな「清水谷公園」が現れます。この地はかつて紀伊・尾張・井伊家の上屋敷が並び、その頭文字が「紀尾井町」という地名の由来となりました。園内に立つ石碑は、台座を含め高さ6メートル超。その圧倒的な規模は、成し遂げた偉業の大きさと、彼を突然失った人々の悲しみが、いかに深く計り知れないものであったかを静かに伝えています。
(パイン)

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